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アメリカで大物2歳馬出現

  • 2008年07月29日(火) 23時50分
 日本でも続々と素質ある2歳馬たちがデビューしているが、アメリカで早くも「来年のダービーはこの馬」との呼び声のかかる超大物2歳馬が登場して話題になっている。

 気の早いファンが次世代のスーパーホースと期待しているのは、7月24日にサラトガで行われたサンフォードS(G2・6f)を制したデザートパーティー(牡2歳)だ。

 今年2月にフロリダで行われたコールダー2歳トレーニングセールで、210万ドル(約2億3千万円)という最高価格でシェイク・モハメドの代理人のジョン・ファーガソン氏に購買された同馬。追いきり時計は1f=10.4秒と特出したものではなく、血統もブラックタイプ目白押しというわけではないのにこの値段になったのは、ひとえに馬の出来が素晴らしかったから。170頭を超える上場馬の中で傑出した好馬体の持ち主と、厩舎村で評判だったのがこの馬だったのである。オーイン・ハーティ厩舎の管理馬となって、6月22日にアーリントンパークで行われた距離4.5fのメイドンでデビュー勝ち。続いてデビュー2戦目でいきなり重賞のサンフォードSにぶつけ、ここも快勝したのである。

 サンフォードSは、デザートパーティーが一介のスピード馬でないことを見せつけるレースとなった。4角手前で、デザートパーティーの位置取りは4頭立ての最後方。そこから鞍上のエドガー・プラド騎手が軽く合図を送ると桁違いの末脚を発揮し、あっと言う間に2着以下に3.1/4馬身の差を付けてゴールに飛び込んだのだ。しかもこのパフォーマンスを、先行馬絶対有利と言われる不良馬場で演じたことで、「こいつはモノが違う」と一躍騒がれる存在となったのである。

 デザートパーティーの父は、現役時代ドバイWCを制しているストリートクライ(その父マキャヴェリアン)。その3世代目の産駒となるが、初年度産駒からいきなりBCジュヴェナイルとケンタッキーダービーをぶっこ抜いたストリートセンスが出現。父の適性を鑑みれば、デザートパーティーに距離延長の不安はない。父ストリートクライは初年度産駒から、欧州でも芝のG1サンチャリオットSを制したマジェスティックロワが登場。芝・ダートを問わない万能型種牡馬として評価が急上昇し、08年の種付け料は超一流サイヤーの証である10万ドルに設定された。今季も、G1アップルブロッサムHを勝ったゼンヤッタや、G1トリプルベンドHを勝ったストリートボスなど続々と活躍馬が生まれ、ケンタッキーで最もホットな種牡馬の1頭となっている。

 デザートパーティーの次走は、9月1日にサラトガで行われる距離7FのG1ホープフルSの予定。夢はどこまで繋がるか、この馬の今後に御注目いただきたい。

 なお、デザートパーティーがサンフォードSを制した2日後の7月26日。デザートパーティーが購買された今年のコールダー2歳トレーニングセールで、2番目の高値となる170万ドルでクールモア・グループに購買されたマニングス(父スパイツタウン、トッド・プレッチャー厩舎)が、サラトガ競馬場で行われた距離6Fのメイドンでデビュー。こちらも後続に4.1/4馬身の差をつける鮮やかな競馬で緒戦勝ちを飾った。同じ市場でミリオンの価格が付いた1番馬と2番馬が、いずれも順調にデビュー勝ちをすることなど、ありそうでなかなか無いもの。デザートパーティー同様、マニングスの今後にも注目したい。

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1959年(昭和34年)東京に生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の製作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬に学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。

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