今年は、というか昨年あたりから、2歳戦において人気馬が順当に走る傾向が強くなったような気がしていた。
数字の裏付けがあってのことではなく、あくまで感覚の話なのだが、今回この原稿を書くにあたって調べてみた。
2歳戦が3開催同時スタートになったのは2002年のことである。それ以降、6〜7月の2歳戦における1番人気および1〜3番人気の勝率を調べてみるとこうなる。
1番人気馬 1〜3番人気馬
2008年 38.2% 24.2%
2007年 34.8% 23.7%
2006年 39.1% 26.0%
2005年 38.1% 23.3%
2004年 53.3% 28.3%
2003年 37.3% 22.2%
2002年 33.9% 23.7%
ということで、この時点では私の感覚が完全に間違っていたということになる。
そんなはずはないんだけど……と往生際悪く調べてみたところ、単勝1倍台に推された1番人気馬の成績が今年は良い、という結論に達した。
2002年以降の勝率を並べてみると、28.6%→51.9%→71.4%→44.8%→58.6%→51.9%→68.8%で、今年は2004年以来の高値。連対率は81.3%で、2004年の80.0%を上回っている。
ただし、単勝1番人気に推された馬の数は7年間で最も少ない。今年は16頭で、次に少ないのは2003年と2007年の27頭。のべ出走頭数は2003〜2004年のほうが少なかったので、一本かぶりになる馬が減ってきていることも分かる。
一本かぶりになる馬が減り、その信頼度が増した背景にある理由は2つ考えられる。
ひとつは、デビュー直前までPOG情報が豊富に供給されるようになったため、人気割れする傾向が出てきていること。
もうひとつはファンの目が肥え、人気割れを乗り越えて単勝1倍台に支持されるような馬はそれなりの本物であるということ。
この仮説が正しいとすると、デビュー直前にもたらされている各種情報もある程度正しいということになる。
特に最初の開催でデビューする馬については「大物だとする情報は正しいのか!?」と疑心暗鬼になりがちだが、このぶんでいくと素直になったほうが得だということだろう。
私個人としては赤本の「早ウマ情報」も参考にしてもらいたいが、その後のアジャストとしてスポーツ紙などの情報も加味していただいたほうが、より正確な指名が可能になると考えざるをえない。
筆者:須田鷹雄
競馬ライター。各種新聞・雑誌に寄稿するほか、テレビ・ラジオの構成、出演も務める。主な出演番組は「クラシックパーク」(グリーンチャンネル)、「ドラマチック競馬」(北海道文化放送)など。
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