札幌に1か月滞在していて、唯一収穫らしい収穫といえば、
アドマイヤコブラの近況を聞けたことくらいか。現段階で決定しているのは「秋の京都でデビューさせる」(松田博調教師)ということ。当初は「札幌に一度入れて、そのまま栗東へ」というプランも考えていたようだが、どうやら直接栗東に入厩する模様だ。
一時は夏のデビュー予定がずれ込んだことで不安視されていたが、「牧場でもほとんど休まずにバリバリ乗っているからな。順調と言っていい」と指揮官が言うのだから、POの方々はひと安心と言っていいのではないか。
コブラと同じくらい注目されている
グレースアドマイヤの2006(馬名タクティクスの予定)も「秋の京都を目標に」というから、思った以上に早い始動となりそう。また、2戦目も惨敗を喫した
フィーリングトーンだが、追い切りの動きは確実に良化していた。「俺からは何とも言えない」と小園調教厩務員は言いながらも、「稽古の感じからダートはいいかも」とポツリ。馬券的にはダート替わりで狙ってほしい。
そのフィーリングトーンを破って未勝利を勝ち上がったのが
シェーンヴァルト。北村友もぞっこんで、「この馬は(札幌)2歳Sに出なくちゃダメな馬」とべた褒め。勝ちタイムも上々で、今年の札幌デビュー組のレベルを考えれば、札幌2歳Sでも有力の1頭となりそうだ。
札幌2歳Sといえば、小倉で衝撃のデビュー勝ちをおさめた
メイショウドンタクがこのレースを狙って札幌入りしていた。しかし、「ダートコースが合わないのか、来てすぐにあちこち気にし始めて。ひとつひとつは大したことではないので、何とか1回はレースを使ってと思っていたんだけど…先々のある馬だから無理はさせられないから」と宮下助手は休養をほのめかすコメント。
個人的にも、これまでデビューした2歳では頭ふたつくらい抜けた馬だと思っているので非常に残念。それでも、「ダービーを勝てばいいんだから」と同助手が自信満々に言うのだから、気長に復帰を待ちたいもの。無事に戻ってくれば必ずや大きいタイトルを取れるはずだ。
「新潟2歳Sを狙っている」という友道調教師のコメントに踊らされて指名した方も多いであろう、
プロスアンドコンズ。しかし、新馬戦で敗れ、その後は思うようにレースが使えないなどのトラブルも続き、結局新潟2歳Sはパスすることとなった。しかし、誰の目にも「新潟2歳Sを目標」というレベルの馬ではないのは明らか。まさに「うれしい誤算」と言えるのではないか。
「暑い夏に何度も長距離輸送はさせたくなかったので、目標を切り替えて放牧に出した。もう栗東に戻ったし、野路菊Sに向けていい調整ができているから」と友道調教師も順調ぶりをアピール。クラシックへ向け、まずはいいスタートが切れそうだ。
※次回(9/19更新)は、須田鷹雄さんによる「須田さんのひとりごと」です。
筆者:吉田竜作
「日本一のPOG記者」との異名を持つ大阪スポーツ記者。毎週月曜日の紙面でPOGコラムを連載中。
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