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2歳戦初期の西高東低バランス

  • 2008年09月19日(金) 19時00分
 POGの世界ではなんとなく「西高東低」「関西馬重視」というムードが広がっているが、それはクラシック戦績だけでなく、例えば速攻タイプについても言えるのだろうか?

 今回はこんな風に調べてみた。

 2歳戦開始から8月末までの時点で、関東馬・関西馬別に2歳馬の「1走あたり賞金」を比較するのである。

 年によって新潟・小倉の2歳Sが入ったり入らなかったりするが、入らない年は東西に関係なく入らないのだから、大きな影響はないだろう。

 結果はこんな感じ(金額の単位は万円)。

      関東馬 関西馬  関西÷関東
2008年   98   113     1.15
2007年   93   120     1.29
2006年   90   122     1.36
2005年   100   124     1.24
2004年   118   135     1.14
2003年   94   129     1.37
2002年   89   105     1.18
2001年   86   114     1.33
2000年   93   134     1.44
1999年   115   128     1.11
10年計   97   122     1.26

 年によっては関東馬が重賞を勝ったりもしているわけだが、それでも総体としては関西馬のほうが強く、最低で1割強、年によっては3割以上パフォーマンスに勝っているということが分かる。
 ちなみに、この10年間における地方所属馬の1走あたり賞金は149万円。年によってばらつきがある(最低は2000年の92万円、最高は2007年の533万円)が、関東馬と比較したら狙う価値がある。グループのルールで、すでに認定を勝っている道営馬を指名することが可能だったりする場合はなおさらだ。

 話を戻して関東馬と関西馬の話だが、仮に関東馬だったとしても、「関西馬なみのパフォーマンス」が期待できるならばもちろん指名する価値があるわけだ。

 そこで、関東馬について厩舎を1走あたり賞金別にソートしてみた。

 関東で該当期間の1走あたり賞金が200万円を超えているのは藤澤和、二ノ宮、萩原、加藤征、松山康の5厩舎。以下手塚、鹿戸雄、古賀慎、堀、小島太、国枝、中野隆、河野、尾形、田村と続き、ここが150万円ラインである。

 こうして見ると関東のブランド厩舎はほとんど網羅されているので気にせず指名していいように見えるが、古賀史(118万円)、畠山吉(118万円)、久保田(107万円)など、古馬成績が良くても2歳戦初期のヒットが出ていない厩舎もあり、このあたりは慎重に対応するべきだろう。

 参考までに関西厩舎を見ると、関東に5厩舎しかなかった「200万円以上厩舎」は14厩舎あり、そのほかにそのラインを満たしていたが勇退済の厩舎が4つある(関東馬は1つ)。こうしてみても、やはり関西馬の強さが確認できる。

※次回(9/26更新)は、辻三蔵さんによる赤本紹介馬の近況レポートです。

筆者:須田鷹雄
 1970年東京都生まれ、東京大学経済学部卒業。POGの達人としても知られ、監修を務める“赤本”こと「POGの達人」(光文社刊)は、POGユーザー必携の書と言われている。


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