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難解な朝日杯

  • 2001年12月04日(火) 00時00分
 グリーンチャンネル「ホースステーション」でもお話させていただく予定だが、今年の朝日杯には興味深いいくつかのポイントがある。
 まずひとつめは「SSのいない朝日杯」。SS産駒が全く居ないというわけではなくロイヤルマイルとサクラエクセレントの2頭は登録しているが、いわゆる「SSの大物」と呼ばれる馬たちは全て他の路線に行ってしまった。新馬・特別の多くがSS産駒を中心に回っている一方で、G1がこのような事態になるというのは奇妙な話。このことがどのような結果に繋がるのか、じっくり考える必要がありそうだ。昨年がSSワンツーだっただけになおさらである。
 2つめのポイントはマル外の復権。ここ数年不振が続いていた外国産馬だが、日本人バイヤーの買い方がうまくなってきたのか内国産馬の側に地盤沈下があるのか、今年の2歳については好調なのである。500万下・オープンでの成績を取ってみると、平成9年以来の水準にまで回復している。平成9年といえばグラスワンダーが勝ち、掲示板をマル外が独占した年。一時は朝日杯でマル外を含めない馬券を買うなんていうことは考えられなかったわけで、そういう意味では「基本」に立ち返ってみる必要があるかもしれない。
 最後のポイントは「マル」である。あまり科学的ではなくジンクスレベルの話だが、今年の2歳重賞はすべてマル外・マル父・マル地(カク地含む)・マル市・マル抽となんらかの「マル」マークが付いた馬たちが1・2着を独占しているのだ。
 セレクトセールができたりSS後継種牡馬が増えたりしたため当然の結果とも言えるのだが、どうせここまできたら最後までジンクスを貫いてほしいような気がするのも確か。しかも朝日杯では、なんのマークも付かないアドマイヤドンが人気を集めそうな気配。マルの有無がどのような結果に繋がるのか、注目してみたい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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