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ハイレベルな新馬戦

  • 2008年10月31日(金) 17時00分
 これはいいレースを見た、としみじみ思ったのが、10/26京都5Rの新馬戦だ。

 人気はブエナビスタリーチザクラウンアンライバルド。いずれもPOG人気が高かった馬たち、ドラフト上位級の馬たちである。

 こういう馬が3頭集まったら1頭くらいは「イケてなかった」行きになるのが常だが、今回は人気と逆とはいえ、アンライバルド、リーチザクラウン、ブエナビスタで上位独占。良血馬ではハズすことの多いPOGメディアも、たまにはなんとかなるというところを見せた。ついでに主張しておくと、「馬券総合倶楽部」で私はアンライバルドの単勝一本を推しており、こちらもたまには皆さんのお役に立つところを見せることができた。

 レース内容はセンスのよいブエナビスタをリーチザクラウンが負かしにいき、テンに置かれたブエナビスタが直線豪脚を使うという形。結局はセンスの良い順に入線ということになった。

 レース後はグリーンチャンネルの解説に入っていた津田照之氏も「3頭ともクラシック戦線に乗ってくる可能性が」といった趣旨のお話をされていたが、確かにそんな予感を感じさせるレースではあった。

 ここでふと思い立ってちょっとした調査を。芝1800m以上の2歳新馬戦で、上位人気馬が1〜3着を占めたケースというのはどれだけあるのだろうか?

 これが意外にあるもので、2003年以降の5シーズン+今年で、全部で24レースある。

 これらのレースは人気馬が上位独占=展開の紛れなどが少なく実力を発揮できるレース、と考えることもできるが、実際のところはどうなのだろうか。

 24レースのうち5レースは今年のレースなのでそれを除いた19レースの1〜3着馬・57頭を見てみると……。

 GI馬は意外に少なくダイワスカーレットだけ。オープン特別・重賞の勝ち馬というところまで対象を広げると、フサイチホウオー、インティライミ、フライングアップル、フサイチオフトラ、ニュービギニング、ナイアガラ、キングスエンブレムと計8頭になる。

 57頭中の8頭。新馬戦全体と比較すれば、確かにある程度打率は高いと言える。

 ただ、8頭のうち6頭は新馬1着。2着だったのはフライングアップルとナイアガラで、「人気上位が独占、の3着」だった馬は無し。こう考えると、ブエナビスタの将来はそうそう楽観してもいられないという風に思える。

 今回のレースでも、まだ馬体に余裕のあった牡馬2頭に比べ、ブエナビスタはそれなりにシェイプされた印象。デキの面での前進は限定的というのが私の見解である。さらに、今回のようなテンの反応の悪さが続くようだと、惜敗が続く危険もある。

 逆に2戦目の前進を期待したくなるのがリーチザクラウン。太かったというほどではないが、もう一段階絞れるのは明らか。上がり勝負にも対応できるようなので、同じチームのフローテーションよりは3歳春段階から結果を残せるのではと期待している。

※次回(11/7更新)は、吉田竜作さんによる赤本紹介馬の近況レポートです。

筆者:須田鷹雄
 1970年東京都生まれ、東京大学経済学部卒業。POGの達人としても知られ、監修を務める“赤本”こと「POGの達人」(光文社刊)は、POGユーザー必携の書と言われている。


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