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これからが本番!池江郎厩舎

  • 2008年11月07日(金) 17時00分
 ドラフト上位馬も続々入厩、デビューをしているが、注目を集めていた池江泰郎厩舎といえば、10月末日現在でデビュー勝ちがカヴァリエの1頭。しかし、ご心配なく。これからが本番ですぞ。

 注目度ナンバー1はエアグルーヴの子フォゲッタブルか。9月上旬に入厩して以来、じっくりと体質強化に重点を置いて調教されている。

 「今は徐々にペースを上げているところ。プールに行ったり運動などを積み重ねてだんだん良くなっている。まだまだ時間はあるし、年内に間に合えば、くらいの感じでやっているよ」と大久保助手。体質の弱い血統だけに、この方針は間違いなくいい方向へと導いてくれそうだ。

 牝馬の注目株はランズエッジ。あのディープインパクトの半妹だ。こちらは「次の開催の後半くらいにはデビューできそう」とのこと。

 肝心の馬の様子だが、「最初はもっさりしていて『あれ?』とも思ったんだが、速い追い切りをやるにつれてよくなってきた。この血統はそれぞれタイプが違うんだけど、乗り込んでいくと良くなるというのは共通しているね。この調子で調教を積んでいけば新馬戦からいい勝負になるんじゃないか」とのこと。やきもきしていたペーパーオーナーには朗報と言えるだろう。

 大久保助手に話を聞いている最中、馬名を挙げるなり「これは抜けてるで」と鋭い反応をしてくれた馬が他に2頭いた。それがダノンファントム(牡・父スペシャルウィーク、母ワイルドフラワー)とゴッドフェニックス(牝・父ブライアンズタイム、母ロンドンブリッジ)だ。

 ダノンは「もうゲートも前に受かっている。まだ(調教の)数はやっていないが、これはパンとしたらすごい馬になりそう。次の阪神くらいには間に合うのでは」。

 ゴッドは「ランズエッジがおとなしいこともあるんだけど、こちらは性格もピリッとしていて、とにかく『抜けている』という感じ。ゲートも受かったし、デビューもそれほど時間はかからない」とのこと。

 思えばこの2頭は池江郎調教師も強力にプッシュしていた馬たち。池江郎調教師の「眼力」おそるべし、だ。

 松田博厩舎ではアドマイヤコブラがデビュー勝ち。現在はもちの木賞に向けて調整されているが、食欲は相変わらず。「もう少し絞りたいが」という松田博調教師の頭を悩ませている。それでも「少しずつは素軽くなっている」というのは担当の馬場助手。完成途上で前走のレースぶりなのだから、パンとしたときの走りが楽しみでならない。

 デビュー戦は3着に敗れたブエナビスタだが、同レースで先着したアンライバルド・友道調教師、リーチザクラウン・橋口調教師がともに「あれは相当走るね」と絶賛。レース後、若干疲れが出たというが、すでにそれも回復。次開催京都の2週目に行われる牝馬限定戦で初勝利を狙うことになる。なお、リーチザクラウンは同じ2週目の芝1800m戦、アンライバルドは京都2歳Sへと向かう予定だ。

 新進気鋭の村山厩舎からはテスタマッタ(牡・父Tapit、母Difficult)がデビュー勝ち。デビュー前は自身が松田国所属時に触れたクロフネを引きあいに出し、「クロフネと同じで。いや、それくらい走るというよりも、同じローテで行きたいということですよ(笑い)」と言っていたが、デビューVをしてからは一転して「クロフネのように」と語気が強まってきた。

 血統的なものからその器の大きさを測りかねるが、桜井助手は「けい古の時計を見てもらえばわかるが、本当に何にも稽古をしてなかったんだよ。体もまだまだ太かった。それであの勝ち方だろ? そりゃ『クロフネ級』というのも無理はないんじゃない」とかなりの評価。次走は宣言どおりに、クロフネと同じエリカ賞を予定。ここで真価が問われることになりそうだ。


※次回(11/14更新)は、須田鷹雄さんによる「須田さんのひとりごと」です。

筆者:吉田竜作
 「日本一のPOG記者」との異名を持つ大阪スポーツ記者。毎週月曜日の紙面でPOGコラムを連載中。


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