私事で恐縮だが、私がクラブで出資しており、かつフロリダでの購買時に現地に一緒に行った(私の本題は赤本の取材なのだが)、
アースリヴィング号がダートの新馬戦を9馬身差で圧勝した。
……と書くと単なる自慢話のようだが、さすがにそれで原稿を一本書く気はない。ここで書きたいのは「ダート馬の立場」である。もちろんPOG期間の、である。
前出のアースリヴィングは1勝馬の立場ながら兵庫ジュニアグランプリに登録し、補欠2番手で待ちの立場(11月11日現在)。実際には回避馬が出そうなので、リアルにぎりぎりのところである。
しかし、1勝馬でその位置にいるのはむしろラッキーなほう。1勝馬で補欠4番手という馬もいるし、例年だと同レースへの1勝馬の出走は上位馬の回避を待つまでもなく絶望的である。
仮に兵庫JGに出走できなかった場合はジャパンC前日の東京ダート1600mに出走する予定だが、仮にこのレースを勝ったとすると……これはアースリヴィングに限らずそのレースを勝つ馬が誰であっても同じだが、その次に適鞍がない。全日本2歳優駿へはレース間隔が半端だし、2勝馬からも除外馬は出る。一方で中央のオープン特別(ダートの)は2月までない。関東だと2月末までない。
今さら言わずともダート馬がPOGで不利だという話はさんざん言われてきたことだが、いざ「当事者」となると身に沁みる。
そこで今回は、「実際のところ、2〜3歳のダート馬は芝馬に比べてどんなものなのか」ということを調べてみた。
現3歳世代の場合、3歳6月まで中央ダートだけで稼いだ賞金のトップは
ユビキタスで8420万円。以下
サクセスブロッケン5500万円、
シルクビッグタイム4800万円と続き、10位は
アポロラムセスで2460万円(ダートのみの賞金なので、葵Sは含まず)。
これを「芝のみ」に置き換えた場合、ユビキタスは13位相当、サクセスブロッケンは31位相当、シルクビッグタイムは37位相当。アポロラムセスに至っては88位相当でしかない。
4歳世代について同様に調べても、ダートのみでトップの
ロングプライド(7480万円)は芝のみだと20位相当、ダート10位
スクリーンヒーロー(2520万円)は芝だと81位相当となる。
わかっていたことではあるが、ダート専用馬のPOG期間内における不利はかなりのものだ。
単純に、「ドラフトでダート馬は避けよう」ということも言えるが、それだと選択肢が減るようで面白くない。とりあえず、地方側で行われるダートグレード競走をポイントに入れることは必須だろう。
さらに、みんながダート馬を避けて終わりというドラフトを忌避するために、「指名馬のいずれかがダートで500万条件かオープンを勝たないとマイナス1000万ポイント」といった、特殊ルールを採用してみるのも面白いかと思う。
※次回(11/21更新)は、辻三蔵さんによる赤本紹介馬の近況レポートです。
筆者:須田鷹雄
1970年東京都生まれ、東京大学経済学部卒業。POGの達人としても知られ、監修を務める“赤本”こと「POGの達人」(光文社刊)は、POGユーザー必携の書と言われている。
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