11月23日、オクラホマ州レミントンパーク競馬場の第1Rとして行われたクレイミングレースを、スティーヴ・アスムッセン厩舎のプロフェシーが優勝。アスムッセン厩舎の今年の勝利度数が556勝に到達し、2004年にアスムッセン自身が作った記録を4年振りに更新する、調教師の北米年間最多勝記録を樹立した。
アスムッセン師は、65年11月18日、サウスダコタ生まれの43歳。父が元騎手で調教師業も営んだキース・アスムッセンで、母マリリンも元調教師という両親の間に生まれ、5歳の頃から両親の厩舎で引き馬や寝わら上げなどを手伝って育ったというから、筋金入りのホースマンである。ちなみに、欧米両大陸でトップジョッキーとして活躍したキャッシュ・アスムッセンは、3つ年上の兄である。
スティーヴも16歳の時に騎手免許を取得して騎乗を開始したが、体が大きくなりすぎて騎手生活はわずか3年で断念。若干20歳にしてニューメキシコを本拠地にサラブレッドとクオーターホースの両方を手掛ける厩舎を開業した。
サラブレッド競馬のトップ戦線に顔を出すようになったのは、90年代半ばからで、99年にドリームスガローアでマザーグースSを制して、G1初制覇を飾った。
現在は、ニューヨーク、シカゴ、ケンタッキー、テキサス、ルイジアナの5か所に調教基地を持ち、5か所を合計すると稼働している現役馬は200頭になる。
昨年から今季にかけてのアスムッセン厩舎の看板は、言うまでもなくカーリンだ。昨年2月にガルフストリームのメイドンでデビュー勝ちを飾った時には、カーリンは女性調教師ヘレン・ピッツの管理馬であったが、メイドン勝ち後カーリンの所有権が移ると、アスムッセン厩舎に転厩。BCクラシック、プリークネスS、ジョッキークラブGCなどをアスムッセンの管理馬として制し、年度代表馬となった。今季のカーリンは、ドバイWC、スティーヴンフォスターHなどを制したのち、ジョッキークラブGCを勝った段階で通算収得賞金が1000万ドルを突破。シガーの記録を抜いて全米歴代賞金王となった。今季限りで現役を引退し、来年春からレーンズエンドファームで種牡馬として供用(種付け料7万5千ドル)されるカーリン。引退セレモニーが、11月29日(土曜日)にチャーチルダウンズ競馬場で行われることになっている。
看板馬を失うことになるアスムッセン師だが、厩舎としての好調は持続している。北米の競馬シーズンは日本同様にあと1か月残っており、最終的に記録がどこまで伸びるか、おおいに注目される。
また、今季のアスムッセン厩舎は、勝ち星で調教師リーディングの首位にいるだけでなく、賞金獲得額のリーディングでも首位を快走。これまで3回ノミネートされながら受賞を逃しているエクリプス賞調教師部門を、今年こそ手にするのではないかと見られている。
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