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2009年北米重賞格付け発表

  • 2008年12月02日(火) 23時50分
 2009年のアメリカにおける重賞の格付けが発表になり、新たに6競走がG1に昇格する一方、1競走がG1からG2に降格となることが明らかになった。

 まずは、G2からG1になるのが4競走を開催順に御紹介しよう。まず、キーンランドの春開催を舞台に行われる、古馬の牝馬のためのオールウェザー7f戦マディソンS。05年にG3の格付けをもらったと思ったら、翌06年にはG2に早くも昇格。そして09年にはG1と、まさにトントン拍子の出世を果たしたレースである。07年には、その後BCディスタフを制するジンジャーパンチが2着となり、08年の勝ち馬が、その後BCフィリー&メアスプリントを勝つことになるヴェンチュラだから、レースレートが上がったのも当然である。

 続いて、夏のデルマー開催から2競走。1つは、3歳以上の牝馬によるダート8.5fのクレメント・ハーシュH。チュラヴィスタHと呼ばれていた83年にG3の格付けを得、その後86年にG2に昇格していたレースである。ここ数年、BCレディーズクラシック(旧ディスタフ)を目指す西海岸の強豪がここを使う傾向があり、07年の勝ち馬が、この年ヴァニティーH,イエローリボンSとG1・2勝のナショバズキーで、08年の勝ち馬がゼニヤッタだから、既にしてG1級の内容を示していた一戦だった。

 デルマーの開催では、3歳以上のオールウェザー7f戦パットオブライエンHも、G1に昇格する。こちらも、94年にG3、99年にG2と、着実に階段を上がり、07年には通算重賞6勝というサーフキャットが2着、08年はその後BCダートマイル2着となるリベリオンが2着となっていた。

 もう1競走は、秋のベルモント開催で行われる、3歳限定の芝9f戦ジャマイカH。こちらも、78年にG3、88年にG2と、ほぼ十年ごとに昇格してきたレースである。07年が、G1ウッドメモリアルS勝ちの実績があったノービズライクショウビズで、08年が、春にG1ウッドメモリアルS・3着などの実績があったコートヴィジョンと、春にはケンタッキーダービー戦線を賑わせていた馬たちが勝ち馬になっているから、これもほぼ予想されていた昇格と言えそうだ。

 更に、ノングレードから一気にG1の格付けを与えらたのが、BCダートマイルとBCフィリー&メアスプリントの2レースである。いずれも07年に新設されたレースで、昨年、今年の2レースの内容が吟味された上でのG1格付けとなった。BCクラシックのアンダーカード的役割を担うことになったダートマイルに関しては、昨年も今年も見るからにメンバーが充実しており、大方の予想通りの格付けとなったが、フィリー&メアスプリントに関してはおそらくは規定すれすれのクリアではなかったかと思う。ちなみに、07年に創設されたもう1競走のBCジュヴェナイルターフは、G2の格付けに留まっている。

 一方、G1からG2に降格となるのが、6月にベルモントパークで行われる3歳以上による10f戦サバーバンH。かつて73年から96年までG1だったのが、97年にG2に降格。その後再び03年にG1に復帰していたのだが、またも降格の憂き目にあることになった。この時期は、チャーチルダウンズのスティーヴンフォスターH、プレイリーメドウズのコーンハスカーH、ハリウッドパークのハリウッドGC、サフォークダウンズのマサチューセッツH(08年は秋に開催)など、条件の似た高額賞金レースが多く、A級馬が分散したことがレベルの低下につながったようだ。

 日本もパート1の格付けを与えられ、今後は重賞の格付けも独自で行えるようになる予定だが、関係者もファンも、昇格だけでなく降格もありうることを、覚悟すべきであろう。

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1959年(昭和34年)東京に生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の製作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬に学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。

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