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確実性と長打力の双方を期待できるエーシンファステム

  • 2008年12月16日(火) 23時46分
 アイスキャッスル(牝 美浦・戸田博文 父マンハッタンカフェ、母ジェラート)
 母ジェラートは未勝利馬だが、繁殖牝馬としてはマーキュリーC(交流GIII・ダ2000m)を9馬身差で圧勝したシャーベットトーン(父ヘクタープロテクター)、準OP馬アルカライズ(父タヤスツヨシ)などを出しておりかなり優秀。父マンハッタンカフェはサンデー系の有力種牡馬で、レッドアゲート、メイショウクオリア、マンハッタンスカイといった重賞勝ち馬を出している。本馬の母の父はDanzig系の快速馬Boundary。母系にアメリカのスピード血統を入れたマンハッタンカフェ産駒は成功しているので期待できる。芝・ダート兼用のマイラーだろう。

 エーシンファステム(牡 栗東・坂口正則 父フレンチデピュティ、母モーニングタイド)
 半兄マイネルモルゲン(父Mt.Livermore)は京成杯AH(GIII)などマイル重賞を3勝。同じく半兄のシンメイレグルス(父ブライアンズタイム)はダート戦線で活躍し、3歳春に昇竜S(OP)を制した。4頭の兄弟はすべて勝ち上がっており、確実性と長打力の双方を期待できる血統といえる。母系にMr.Prospectorを抱えたフレンチデピュティ産駒は成功しており、上級クラスまで出世できるだけのポテンシャルを秘めていると思われる。芝・ダート兼用で1800mベスト。

 スイートアイフェル(牝 美浦・鈴木伸尋 父ジャングルポケット、母アクワレラ)
 半姉スイートフィズ(父クロフネ)はダート路線で準OPまで出世した。同じジャングルポケット産駒の大物オウケンブルースリは、母の父にアメリカのスピード血統Silver Deputyを持ってきて、母系の奥にRibotを入れる、という配合だったが、本馬は母の父にアメリカのスピード血統Danzig、母系の奥にRibot、という配合なのでよく似ている。芝・ダート兼用の中距離タイプ。

 タガノガブリエル(牡 栗東・小原伊佐美 父シンボリクリスエス、母タガノラピス)
 母タガノラピスは現役時代3勝。ジェニュイン(95年皐月賞-GI、96年マイルCS-GI)とクルーピアスター(菊花賞馬アサクサキングスの母)の全兄弟にあたる良血で、繁殖牝馬としては本馬の全兄で先日OP入りを果たしたタガノヴァレオ(父シンボリクリスエス)を産んでいる。「シンボリクリスエス×サンデーサイレンス」の組み合わせはサクセスブロッケン(08年ジャパンダートダービー-交流GI)と同じ。兄とタイプが同じならば芝中距離を得意とするだろう。

 ピサノカルティエ(牡 美浦・堀宣行 父ネオユニヴァース、母コープランズナニー)
 半兄フリートアピール(父アフリート)はホッカイドウ競馬で北海優駿(ダ2100m)、王冠賞(ダ1600m)と2つの重賞を制した。2代母Nany's AppealはIn Reality≒Great Above 2×2というユニークな配合で、母の父Copelanはサンデー系と相性のいいOlympiaを3×4で持っている。父ネオユニヴァースはやや鈍重なところも見られるので、アメリカ血統で固められた母コープランズナニーとの相性はいいだろう。配合的に期待できる。ダートの中距離で強い。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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