微妙に遅くなってしまったが、2008年の2歳戦成績(中央のみ)に関するデータが出揃ったので改めて検討してみた。
まずは生産者。勝利度数トップのノーザンファームが1走あたり賞金でも250万円と50出走以上の牧場ではダントツのトップになっている。
ブエナビスタと
ロジユニヴァースを抜きにしても210万円あるのだから、これは文句のつけようがない。今年は社台ファーム勢もけっこう頑張っているように見えていたのだが、やはり早い時期はノーザンのほうが強いようだ。
一方、勝利度数上位でありながら、1走あたり賞金では全馬平均(99万円)と大差なかったのがビッグレッドファーム(103万円)、千代田牧場(99万円)、グランド牧場(79万円)。BRFを生産者ベースで見ても仕方ないと思われるだろうが(ちなみにコスモヴューファームは70万円)、馬主名義で見てもラフィアンが70万円、セゾンが100万円、ビッグレッドファームが70万円と苦戦している。グランド牧場の数字が低くなっていることからも、育成のアドバンテージで早くに賞金を積み増すというモデルが通用しにくくなっていることがうかがえる。
種牡馬では着度数でキングカメハメハ、シンボリクリスエス、ネオユニヴァースがベスト3となった。
ただ、2008年の新種牡馬だった2頭は2年目のジンクスに挑戦する立場となるし、シンボリクリスエスは2勝馬が
ダノンカモンだけと、相変わらず2勝目が遠い体質だ。
2勝目が遠くてもいいなら新馬戦に強いゴールドアリュールあたりのほうがドラフト下位で取れる妙味があるし、マンハッタンカフェあたりでもいい。
SS系ではスペシャルウィークがブエナビスタと
リーチザクラウンを出して一気に復権したが、同馬の産駒は昔から当たり外れのギャップが大きい。先述したゴールドアリュールとは対照的に、一発長打狙いの種牡馬と割り切るべきだろう。
厩舎では
セイウンワンダーの領家厩舎が、他に7頭もの勝ち馬を出して勝利度数でもトップ。これまであまりPOGでは人気になってこなかったが、2009年はちょっと注目してみたい。もともと人気しているところでは池江寿厩舎の強さを再確認した。重賞勝ち馬なし(オープン特別は
トーセンジョーダンが勝っている)で1走あたり賞金341万円(全馬平均99万円、GI馬を出した領家が411万円、松田博が374万円)というのは、厩舎の平均値が高いことを示している。
※次回は1/23(金)に更新いたします。
筆者:須田鷹雄
1970年東京都生まれ、東京大学経済学部卒業。POGの達人としても知られ、監修を務める“赤本”こと「POGの達人」(光文社刊)は、POGユーザー必携の書と言われている。netkeiba.comでは「
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