フォゲッタブルが新馬戦で負けた直後にこの原稿を書いている。
ちなみに赤本での私の同馬に対するシルシは無印だった……と逆張りを自画自賛したいところだが、実は
デルフォイも無印だったのでそれはできない(ちなみに
アドマイヤメジャーは▲だった)。
今回テーマにしてみたいのは、「新馬戦1番人気時の成績」である。POGをやっている方は分かるだろうが、競走馬というのはまず順調にデビューするまでが一苦労。その一苦労を乗り越えた上に新馬戦で1番人気を獲得したとなればこれはかなりのもの。ただ、1番人気を獲得してもその人気を裏切ることはある。ここまでくると指名時点で見通すことは不可能であり、「そんな難しいもん、予想できん」ということになるわけである。
言い方を変えると、新馬戦1番人気での成績が悪い条件を探せば、それが「POG難度の高い条件」でもあるということになる。
ということで、今回は2004年以降の新馬戦(フォゲッタブルがデビューする前週まで)を対象に、いくつかの切り口から1番人気時の成績を調べてみた。
そして今回は、複勝率を基準に評価することとしてみる。負けても2、3着なら2戦目以降に希望が持て、4着以下だとけっこうリアルにブルー……という線で考えたものである。なお、各項目とも該当数10以上のものだけを対象とする。
まず生産者ベースでみると、社台グループでは、白老→ノーザン→追分→社台の順となる。社台とノーザンでは前者のほうがPOG難度が高いイメージがあるだろうが、それを裏付ける形となる。
社台より下にいるのが下河辺、ビッグレッド、千代田、メジロ。このあたりはPOGというより馬券で注意したい。
続いて馬主ベースだが、ノーザン>社台を持ち越した感じになっている。
サンデーサラブレッドクラブと社台レースホースでは前者が上だし、オーナーズグループどうしでも同様。ダノックス、アドマイヤ、金子真人HDといったノーザン系の馬主は、ラッキーフィールド、ダイワ、トーセンといった社台系よりも上位にいる。
ちなみにダノックスは複勝率93.3%で今回対象の馬主ではトップ。順調に新馬まで来た素質馬はけっこう結果を出している。
ちなみに、10出走以上の馬主26名義のうち複勝率最低だったのがさくらコマースで、その次がラフィアン。生産者ベースの成績も含めると、「マイネル」は新馬で人気になっただけでは安心できないようだ。
さて、ノーザン系が社台系より強いとあれずフォゲッタブルもその路線でいけたのではという話になるが、最後に種牡馬ベースの成績を見てみると合点がいく。
ゴールドアリュール、スペシャルウィーク、フジキセキ、マンハッタンカフェといった後継種牡馬がサンデーサイレンスを複勝率で上回っているのに対し(ちなみにアグネスタキオンはSSよりちょっと下)、ダンスインザダークはかなり下。49例で[11-10-7-21]。ここにフォゲッタブルが加わって複勝率は56%。1番人気の複勝率としてはかなり低い。
今回「強い」とされた要素は評判通りに走るわけだからPOGでは順張りの発想で考えていいだろう。逆に「弱い」とされた要素については逆張りで考えるというか、世間の評判に流されないようにする必要がある。新馬戦1番人気馬をたくさん輩出しているわけだから全くダメというわけではないので、その属性を持ちつつ人気薄……といったところを探るのがいいのかもしれない、
※次回は2/6(金)に更新いたします。
筆者:須田鷹雄
1970年東京都生まれ、東京大学経済学部卒業。POGの達人としても知られ、監修を務める“赤本”こと「POGの達人」(光文社刊)は、POGユーザー必携の書と言われている。
netkeiba.comでは「
回収率向上大作戦」も担当している。
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