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2001年インターナショナルクラシフィケーシ

  • 2002年01月23日(水) 00時00分
 1月16日に発表された2001年版インターナショナルクラシフィケーションから、特筆すべきポイントのいくつかを挙げていきたい。

 2歳首位はヨハネスブルグ。126というのは過去10年で、94年のセルティックスイング(130)、97年のザール(127)に次いで、95年のアルハレスと並ぶ3番目の評価。『強い』部類の2歳王者である。ヨハネスブルグは同時に、2001年世界マイル王者の称号も手にした。と言うもの、126という数字はBCジュヴェナイルにおけるパフォーパンスレイトで、距離区分でいうとマイル。3歳にも古馬にも、マイルの距離区分でこれ以上のレイトを貰った馬がなく、従って2歳馬にして世界マイル王者となるという快挙を達成したわけである。

 2歳牝馬首位はクイーンズロジック。彼女の122というレイティングは、92年のリリックファンタジーと並んで過去10年で最も高い数字である。牡馬首位のヨハネスブルグとの差4Pというのが肝心なところで、ヨーロッパにおける2歳のセックスアロウワンスは5Pだから、もしもヨハネスブルグとクイーンズロジックが同じレースに出ていたとしたら、クイーンロジックが先着していたというのが、ハンデキャッパーの見解なのだ。3歳・古馬を含めて、彼女より上のレイティングを貰った牝馬は3歳のバンクスヒル(123)1頭しかいないから、彼女は2001年世界牝馬第2位という凄い評価なのである。

 3歳首位は、ベルモントSで130を貰ったポイントギヴン。古馬も含めた、ダートのカテゴリーでのチャンピオンでもある。アメリカ調教馬が3歳の部門で首位になったのは、インターナショナルクラシフィケーションに北米馬が組み込まれるようになった1995年以降初めてのことだ。ただし評価としては、2000年首位のシンダー(132)、1999年首位のモンジュー(135)より下で、『普通に強い』程度の3歳王者である。クロフネ(125)の3歳世界第4位、3歳世界マイル首位は、誰もが納得だろう。

 古馬首位は、インターメディエイト、ロングの2つの距離区分で133を貰ったサーキー。2000年首位のドバイミレニアム(134)、1999年首位のデイラミ(135)より少し下だが、それでも強い部類の古馬チャンピオンだろう。古馬では、イクステンデッドの距離区分で123を貰ったビエナマードが2001年世界チャンピオンステイヤーとなったが、北米調教馬がこの部門で首位となるのはこれが初めて。長距離は欧州の天下という定説を覆した。古馬の芝におけるスプリントの距離区分で119を貰って首位になったフェアリーキングプローンも、香港調教馬としては史上初の世界チャンピオンだ。

 実は日本にも、3歳マイル首位のクロフネ以外にもう1頭、世界チャンピオンがいる。古馬のダートにおけるロングの距離区分で112を貰ったウィングアローがその馬。2300mのブリーダーズGCを制した際のレイティングなのだが、この区分で彼以上の数字を獲得した馬はなく、2001年古馬ダート長距離世界チャンピオンとなった。

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1959年(昭和34年)東京に生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の製作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬に学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。

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