スマートフォン版へ

意外においしい!? 関東の牝馬

  • 2009年02月20日(金) 18時00分
 クイーンCの出馬表が出たところでこの原稿を書いている。

 出走16頭中、関東馬が11頭、関西馬3頭、カク地2頭という構成になったわけだが、それを見ているうちに、「関東の牝馬っておいしくないか?」という気がしてきたのである。

 ご存知のとおり今年はフェアリーSがマイル重賞になって年明けにスライドしてきたわけだが、そこは関東馬12頭・関西馬4頭という構成だった。関西馬のジェルミナルが勝ったとはいえ2〜5着は全部関東馬。数の上での関西攻勢は限定的である。

 ちなみに、2歳重賞として行われた最後の5回分についてフェアリーSの結果を見ていると、出走数は関東馬59頭に対して関西馬19頭(比率としてほぼ3:1だから今年と同様)、関東馬が4勝・2着5回で関西馬が1勝のみ。ここに西高東低の構図はない。

 クイーンCにしてもミクロコスモスは強そうだが、おそらく関西馬独占はあるまい。

 こうして考えていくと、牝馬戦線というのは関東馬にとって、ちょいちょい入着賞金を拾っていくチャンスが大きいように見える。

 500万条件は牡馬牝馬とも遠征がほとんどない形で戦われることが多いが、オープン特別・重賞となると牡馬の東上のほうが多く、かつ結果も出やすい。少なくも東上数が多いのは確実で、これは若い牝馬は輸送に不安を残すことが多いからだろう。

 もちろんGIを勝つような大当たりを模索するときには関西馬を選んだほうがいいのだろうが、ドラフト下位で着賞金コレクターを探すようなパターンの場合、関西の脅威にさらされる機会の少ない「関東の牝馬」というのもひとつの選択肢ではないだろうか。

 そこで思いついたついでに、この仕組みをうまく利用して賞金を稼いでいる厩舎はどこか、ということも調べてみた。

 調査の対象は2004〜2008年に東京・中山で行われた牝馬限定の500万条件〜GII(あえてオークスは外してある)。対象レースは98レースある。

 勝利度数、1走あたり賞金、何頭の入着馬を出しているか……といった指標をもとに考えてみると、実はものすごくフツーな結論が出てくる。

 藤沢和、田村、国枝、伊藤正、後藤、奥平、大久保洋といったところが「おすすめ」ということになる。

 なんとも意外性のない話だが、考えみると、これらの厩舎には牡馬の大物(あくまでドラフト時点の)がたくさんいる。特に藤沢和厩舎あたりには、ドラフト上位クラスの牡馬がうじゃうじゃいる。

 そういった馬たちを指名しに行って痛手を負うよりは、下位で牝馬を取って楽しむのもひとつの手ではないかと思うのである。牝馬の場合、「後から考えてみるととんでもないホラだった」というような話が少ないこともあり、冷静な指名が可能にもなる。


※次回は3/6(金)に更新いたします。

筆者:須田鷹雄
 1970年東京都生まれ、東京大学経済学部卒業。POGの達人としても知られ、監修を務める“赤本”こと「POGの達人」(光文社刊)は、POGユーザー必携の書と言われている。netkeiba.comでは「回収率向上大作戦」も担当している。


赤本×netkeiba.comコラボコーナーで「ハンデ付きPOG」データを無料公開中!

クラシックに向けて盛り上がる!netkeibaPOGをチェック!

須田鷹雄+取材班が赤本紹介馬の近況や有力馬の最新情報、取材こぼれ話などを披露します!

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング