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シンコウノビーの最良産駒となるか、サリエル

  • 2009年04月28日(火) 13時00分
【2歳】
 サリエル(牝 栗東・松永幹夫 父キングカメハメハ、母シンコウノビー)
 母シンコウノビーはファンタジーS(GIII)2着、フラワーC(GIII)3着、阪神3歳牝馬S(GI)5着などの成績を残した活躍馬。繁殖牝馬としては葵S(OP)を勝ったウインレジェンド(父サンデーサイレンス)を産んでいるものの、全体的に見ると、いまひとつスピードを伝え切れていない面が垣間見える。その父Nashwanの特徴が強く出ているのかもしれない。本馬の父は昨年の2歳種牡馬チャンピオンに輝いたキングカメハメハ。コンスタントにスピードを伝えるタイプなので悪くないだろう。Aimee 6×5という牝馬クロスはおもしろい。ダートもOK。

 ツルマルジュピター(牡 栗東・坂口正則 父マンハッタンカフェ、母オマイタ)
 半兄オリエンタルカーン(父クロフネ)はダートで3勝。マンハッタンカフェ産駒はは今年重賞を3勝し、現在サイアーランキングのトップを快走している。このまま行けばリーディングサイアーも夢ではない。マンハッタンスカイ、レッドアゲート、メイショウクオリア、メイショウレガーロ、アントニオバローズ、ベストメンバーといった馬たちは母系にMr.Prospectorを持っている。本馬もこのパターン。芝・ダート兼用の中距離タイプ。

【3歳】
 グルナッシュ(牡 栗東・庄野靖志 父アグネスタキオン、母グリーティングス)
 半兄ストーミーカフェ(父アドマイヤベガ)は共同通信杯(GIII)と札幌2歳S(GIII)を逃げ切ったスピード馬。本馬の父は同じサンデーサイレンス系のアグネスタキオンなので、血統構成はよく似ている。2代母Kissing CousinはコロネーションS(英G1)の勝ち馬。母系にRainbow Questが入るアグネスタキオン産駒は数が少ないが、そのなかからジェルミナル(09年フェアリーS-GIII)が出ている。芝向きの中距離馬だろう。

 クレバークンプウ(牡 美浦・加藤和宏 父フレンチデピュティ、母メイショウクンプウ)
 母メイショウクンプウは不出走馬。父フレンチデピュティは、母系にHail to Reasonを持つ産駒がよく走っている。なかでもRobertoとは相性がよく、代表産駒のクロフネを筆頭に、天皇賞・春(GI)を勝ったアドマイヤジュピタ、NHKマイルC(GI)を勝ったピンクカメオなどがこのパターンから誕生している。本馬はこれに当てはまる。また、「フレンチデピュティ×アフリート」はJBCスプリント(GI)など重賞を8勝したノボジャックと同じ。デビューは遅れたが可能性を感じる配合だ。

 ケイオーハヤテ(牡 美浦・中川公成 父アグネスタキオン、母エナジートウショウ)
 母エナジートウショウは不出走馬。繁殖牝馬としては優秀で、スリーアベニュー(07年ガーネットS-GIII)、スカイアンドリュウ(01年京王杯SC-GII・2着)、タニノシスター(96年報知杯4歳牝馬S-GII・5着)などを産んでいる。タニノシスターは偉大なウオッカの母だ。本馬を産んだとき母はすでに19歳だったが、いい種牡馬を掛ければ確実に結果を出すタイプなので期待できるだろう。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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