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ブエナビスタの半妹登場、アーデルハイト

  • 2009年05月12日(火) 00時00分
【2歳】
アドマイヤガッツ(牡 栗東・松田博資 父クロフネ、母マイケイティーズ)
 半兄にジャパンC(GI)、宝塚記念(GI)、ドバイデューティフリー(G1)を勝ったアドマイヤムーン(父エンドスウィープ)がいる。父クロフネは名牝との交配で手堅く結果を出すタイプ。Katies牝系にクロフネといえばスリープレスナイト(08年スプリンターズS-GI)を思い出す。芝・ダート兼用のマイラーで大物感あり。

アドマイヤゲーム(牝 栗東・橋田満 父クロフネ、母アドマイヤグルーヴ)
 母アドマイヤグルーヴ(03、04年エリザベス女王杯-GI)、2代母エアグルーヴ(年度代表馬)、3代母ダイナカール(83年オークス)という超良血で、4分の3同血にポルトフィーノ(08年エルフィンS-OP)がいる。発展する名牝系の最前線に立つ牝馬だけに注目したい。父クロフネは名牝との相性がいい。芝向きのマイラー〜中距離タイプ。

アドマイヤプリンス(牡 栗東・松田博資 父アグネスタキオン、母プロモーション)
 アドマイヤメイン(06年青葉賞-GII、06年毎日杯-GIII)の4分の3弟。母プロモーションはクイーンS(GIII)の勝ち馬で、母系のAssertが強く出ていたため、ヘクタープロテクター産駒にしてはしっかりとしたスタミナがあった。このタイプはアグネスタキオンとフィットする。母系にBe My Guest(Assertの父)を持つタキオン産駒にはジェルミナル(09年フェアリーS-GIII)がいる。芝向きの中距離タイプ。

アーデルハイト(牝 栗東・松田博資 父アグネスタキオン、母ビワハイジ)
 アドマイヤオーラ(07年弥生賞-GIIなど重賞3勝)の全妹、ブエナビスタ(09年桜花賞-GI、08年阪神JF-GI)、アドマイヤジャパン(05年京成杯-GIII)の半妹。母ビワハイジ(95年阪神3歳牝馬S-GI)は日本を代表する名繁殖牝馬の1頭。故障馬を除けば産駒は確実に走ってきたので信頼性はきわめて高い。全兄が走っているように配合的にも問題ない。芝向きの中距離タイプ。

ヴィクトワールピサ(牡 栗東・角居勝彦 父ネオユニヴァース、母ホワイトウォーターアフェア)
 スウィフトカレント(06年小倉記念-GIII、06年天皇賞・秋-GI・2着)の4分の3弟。母系にMr.Prospectorを持つネオユニヴァース産駒は成功している。本馬は母系にMachiavellian、Lorenzaccioが入るので、ロジユニヴァース(09年弥生賞-GIIなど重賞3勝)と配合構成がよく似ている。芝向きの中距離タイプ。

ゴルトブリッツ(牡 美浦・藤沢和雄 父スペシャルウィーク、母レディブロンド)
 母レディブロンドは名馬ディープインパクトの半姉で、現役時代は6戦5勝。スプリンターズS(GI)で4着という成績がある。初仔のジャングルビジット(父ジャングルポケット)は裂蹄を繰り返して中央ではデビューできず、2番仔のラドラーダ(父シンボリクリスエス)は2戦2着のあと骨折。脚もとが丈夫とはいえない傾向が出ているだけに、3番仔の本馬は無事デビューできるかどうかがひとつのハードルとなる。そのあたりの懸念がなければ楽しみが大きい。

ダイワファルコン(牡 美浦・上原博之 父ジャングルポケット、母ダイワルージュ)
 母ダイワルージュはダイワメジャー(GI・5勝)の全姉、ダイワスカーレット(GI・4勝)の半姉にあたる良血で、現役時代は新潟3歳S(GIII)を勝ち、阪神3歳牝馬S(GI)で2着、桜花賞(GI)で3着などの成績がある。初仔のダイワバーガンディは500万下で足踏みをしているが、これは「ブライアンズタイム×サンデーサイレンス」という成功例の乏しい組み合わせだったことが影響したのかもしれない。父がジャングルポケットに替わった本馬は配合的におもしろく、可能性を感じさせる。芝・ダート兼用の中距離タイプ。

トゥエルフスナイト(牡 栗東・角居勝彦 父キングカメハメハ、母シーザリオ)
 母シーザリオは現役時代にオークス(GI)を勝ち、米遠征してアメリカンオークス(G1)を楽勝した名牝。本馬はその初仔。父キングカメハメハが持つNureyevと、母シーザリオが持つSadler's Wellsは4分の3同血。これはKingmambo系の成功パターン。また、母系にNijinskyを持つキングカメハメハ産駒も走っている。あとはシーザリオの繁殖能力がどうかという点だけ。世界水準な名牝が産んだ仔なので期待したい。

トゥザグローリー(牡 栗東・池江泰郎 父キングカメハメハ、母トゥザヴィクトリー)
 キングカメハメハ産駒は思ったよりもパワー色が濃い。母系のスピードが乏しかったり、アメリカ血統が強すぎるとダート向きに傾いてしまう。母トゥザヴィクトリーはエリザベス女王杯(GI)など重賞4勝、ドバイワールドC(G1)2着などの戦績がある。やや硬さが見られる牝系なのでパワー型に出る可能性がある。トゥザヴィクトリーの仔は過去3頭がいずれも中央で走っていない(不出走馬2頭、地方出走馬1頭)。まずは仕上がってデビューすることが目標となる。

フェデラリスト(牡 栗東・松田国英 父Empire Maker、母ダンスパートナー)
 母ダンスパートナーは現役時代にオークス(GI)やエリザベス女王杯(GI)を勝った名牝で、全弟にダンスインザダーク(96年菊花賞-GIなど重賞3勝)、全妹にダンスインザムード(04年桜花賞-GI、06年ヴィクトリアマイル-GIなど重賞4勝)がいる超良血。繁殖牝馬としてはダンスオールナイト(父エルコンドルパサー/09年中山牝馬S-GIII・3着)、ドリームパートナー(父エリシオ/準OP)などを出している。本馬の父Empire Makerはアメリカで繋養中の種牡馬で、その父系はUnbridled→Fappiano→Mr.Prospectorとさかのぼる。兄姉とはまったく違うタイプの配合になるので期待できる。芝・ダート兼用の中距離馬。

ローザミスティカ(牝 栗東・橋口弘次郎 父アグネスタキオン、母ロゼカラー)
 母ロゼカラーはデイリー杯3歳S(GII)の勝ち馬で、繁殖牝馬としてはローズバド(01年フィリーズレビュー-GII)、ローゼンクロイツ(07年金鯱賞-GII)、ローズプレステージ(07年京都新聞杯-GII・2着)などを送り出している。本馬の父はアグネスタキオン。ロゼカラーはサンデー系との交配では確実に結果を残しているので楽しめそうだ。芝向きの中距離タイプ。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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