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2009-10シーズンのPOG予報!?

  • 2009年05月15日(金) 12時00分
 おかげ様で、今年の「赤本」も無事完成。私の手元に見本誌が届き、週末に発売を控えているタイミングでこの原稿を書いている。

 既に雑誌などでPOG情報も出回りはじめており、どの馬が上位人気になるかといったことも見えてきた。その中から特にどれがおすすめなのか……などと個別の馬の話を書いていくといくら文字数があっても足りないので、敢えて今回はもっとおおざっぱな括りの話をしてみたい。

 今回書いてみるのは、「09-10シーズンPOG予報」とでも言うべき内容。これまての取材を踏まえたうえで、新たなシーズンでこういうことが起きるのでは……ということを予想というか予報してみる次第だ。天気予報と同じでハズれることもあるのであしからず。

1.フジキセキのリバイバルブームが来る

 単純に、今年のフジキセキ産駒にデキのよい産駒が目立つということが理由のひとつ。さらに、フジキセキは最初のブーム期であるべき初年度産駒の頃にはSS直仔と戦わされていたわけで、「SS系目玉新種牡馬」が一巡しつつある今のほうが状況は有利。また、ぼちぼち良質の繁殖牝馬が回りはじめ、一方で、戦う相手はSS直仔でなく「SSの孫」なのだから昔より結果が出てもおかしくはない。

2.スペシャルウィークブームは続く

 これも産駒に目立つのがいるということが理由のひとつ。繁殖牝馬のラインナップを見ても昨年並みかそれ以上を維持しており、「2年目のジンクス」と戦わねばならないネオユニヴァースあたりと比べても有利。

3.POG人気を考えるとお得なのは社台勢

 昔は「計算が立つのはノーザン、一発は社台」というイメージだったが、今年はノーザンファームの有力繁殖牝馬にキングカメハメハやファルブラヴが配合されているケースがけっこう多く、その結果は計算できない。もちろん他の種牡馬の産駒も含めノーザンから活躍馬は出るのだが、ドラフト戦略としては社台重視が面白そう。

4.新種牡馬はデュランダル、ただし大穴も

 ゼンノロブロイ産駒は無骨ながらスピードがあるとして評価が上がりつつあるが、よくよく見積もってみるとデュランダルのほうが優勢に見える。あくまで私の見積もりに過ぎないが……。一方、この2頭に対抗するのはロージズインメイと思われているが、アドマイヤマックスやストラヴィンスキーにもデキのいい産駒はおり、トータルでなく単発の激走ならば意外なところから出てくる可能性がある。

5.厩舎の格で予想する手法が崩れる

 以前は「この厩舎にあてがわれているならばデキがいいのだろう」、逆に「この厩舎ということは……残念」といった予想が有効だった。ただ、最近は2歳馬どうしの標準偏差が小さくなりつつあり、一方で人気厩舎には中身というより「ゆかりの血統」で枠が埋まっていく傾向が見られる。失礼な例えだが、友道厩舎からアンライバルドが出たのもそんな流れのひとつ。以前より厩舎のターゲットは広く取る必要がある。

6.セレクトセールの中小馬主購買馬からヒット作が出る

 これも5.と似た流れ。特に2年前のセレクト当歳セッションは高額ゾーンがちょっと加熱しておかしな騒ぎになっていた。その戦いに加われなかった中小馬主が逆に安くていい素材を獲得している可能性は高い。大馬主は数が多いから当然ヒット作も出るが、率の面での有利さは低下しつつある。以前のように「この大馬主だから」という予想手法は通用しづらくなる。


 以上、思いつくまま勝手に書いてみた。とにかくSS直仔時代の「分かりやすいPOG」が年々崩れていっているのは確実で、その流れは止まらない。ますますカオスで難しいPOG戦線になると予想する。


※次回は5/29(金)に更新いたします。

筆者:須田鷹雄
 1970年東京都生まれ、東京大学経済学部卒業。POGの達人としても知られ、監修を務める“赤本”こと「POGの達人」(光文社刊)は、POGユーザー必携の書と言われている。netkeiba.comでは「回収率向上大作戦」も担当している。

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