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シーザリオの8分の7同血、サークルステージ

  • 2009年06月02日(火) 12時20分
カネコメキラリ(牝 栗東・服部利之 父アドマイヤドン、母コスモタンツェリン)
 父アドマイヤドンは現役時代、芝・ダート双方で7つのGIレースを制覇し、2年連続最優秀ダートホースに選出された。今年の2歳世代が初年度産駒となる。高いダート適性の源泉はいうまでもなくその父ティンバーカントリーにある。本馬は、ティンバーカントリーの重要な構成要素のひとつであるLa Troienne牝系の凝縮を、Glamour 6×5、Striking=Busher 7×6・6で継続している。また、Raise a Native=Aces Swinging 5×5・5というユニークな同血クロスも持っている。全体的に力強く、ダートの中距離で力を発揮するだろう。仕上がりは早い。

クロワラモー(牝 栗東・本田優 父スペシャルウィーク、母メジェール)
 母メジェールは芝・ダート兼用のスピードタイプで、5勝を挙げて準OPまで出世した。繁殖成績はまずまず。1000万下に在籍中のメリュジーヌ(父フレンチデピュティ)を産んでいる。本馬の父はスペシャルウィーク。母系にStorm Catを持つ同産駒には、オースミダイドウ、ダイレクトキャッチ、ダンツクインビーなどの活躍馬がいる。仕上がりは早く、2歳戦から能力を全開するタイプ。本質的にはダート向きだが芝でも問題ないはず。

サークルステージ(牝 美浦・高橋義博 父スペシャルウィーク、母ジゼルII)
 Sadler's Wellsには大きく分けて3つのニックスがある。ひとつはMill Reef〜Darshaan。もうひとつはDerring-Do〜Top Ville。最後はHabitat。この3つのラインはSadler's Wellsときわめて相性がいい。「Sadler's Wells×Habitat」はキングオブキングス(98年英2000ギニー-G1)、Barathea(94年BCマイル-米G1)、Dance Design(96年愛オークス-G1)などの一流馬を生み出している。また、シーザリオの母キロフプリミエール、本馬の母ジゼルIIもこの組み合わせから誕生している。シーザリオと本馬はともにスペシャルウィークを父に持つので、血統構成の8分の7までが同じ。母ジゼルIIはこれまでの繁殖成績があまり芳しいものとはいえないが、本馬は配合的に見どころがある。

フラッテローザ(牝 栗東・岡田稲男 父ブライアンズタイム、母ファーザ)
 帝王賞(交流GI)、ジャパンダートダービー(交流GI)、全日本2歳優駿(交流GI)などダートGIで実績を挙げているフリオーソの全妹。2代母Bayaはグロット賞(仏G3・芝1600m)を勝ち、仏オークス(仏G1・芝2100m)で2着となった活躍馬。3代母Bargerは女傑Triptych(G1を9勝)の全妹。先入観なく配合を見れば、決してダート専用馬という雰囲気はなく、牝馬であることを考慮すれば芝で走ってもおかしくはない。仕上がりは早そう。

ラヴァリーウィード(牝 美浦・伊藤伸一 父サクラプレジデント、母ラストプリンセス)
 母ラストプリンセスは未勝利馬。これにサクラプレジデントを交配した。血統的には地味な印象は否めない。ただ、配合的には見どころがある。Nijinsky≒Red God 4×4、マルゼンスキー≒ラストタイクーン3×2の近似血脈のクロス、Quill 5×4の牝馬クロスなど仕掛けどころが多い。サクラプレジデント産駒は1勝を挙げてから頭打ちになるものが多く、出世頭はスイートピーS(OP)2着のサクラローズマリー。それを超える成績を期待したい。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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