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“ロジ”久米田氏のクラシック候補

  • 2009年06月05日(金) 11時00分
 ダービーの興奮冷めやらぬ中、今回紹介するのはダービーオーナー・久米田正明氏が所有するスイートフェローズの2007(牝、父タニノギムレット、馬名「ロジフェローズ」予定)だ。JRAブリーズアップセールで久米田正明氏が、牝馬最高額の2900万円(税別)で落札した。

 管理するのは今年3月に開業したばかりの大竹正博厩舎。大竹師は技術調教師時代にロジユニヴァースの調教に携わっていた。2歳時に、ロジユニヴァースの土台を作った調教師だ。大竹師本人も「ビックリした」と話す抜擢は久米田オーナーの信頼が厚いからだろう。

「中山でも綺麗なフットワークで走っていたが、日高の展示会(4月13日)でも抜群の動きを見せていた。ゲートを出しても二の脚が速いし、やはり能力はある」と大竹師は絶賛する。

 既に美浦トレセンに入厩して、ゲート試験に合格。早期デビューかと思いきや、「ケイコで速い時計が出るのはわかっている。今は弱点を取り除いて、もう一つ上のステージを目指したい」と大事に育てる方針だ。

 馬を怖がる面があるが、集団調教で慣れさせながら、メンタル面を強化。「弱点を克服しながら、ジックリ調整したい。(セールで)キッチリ仕上がっていたので体をフックラさせながら、心をリフレッシュさせている。デビュー時期を決めずに、馬の成長に合わせながら仕上げていく」と大竹師。

 父タニノギムレット、母はツルマルツヨシの全姉という血統背景。晩成血統だけに、今後の成長が楽しみだ。馬主になってから一世代目でダービーオーナーになった久米田正明氏。来年はこの馬で牝馬クラシックを狙う。

 ウィスパーヴォイス(牡、父デュランダル、母ミルズウィスパー)は交流GIII・東京スプリントを制したゼンノパルテノン(父アフリート)の半弟。「兄と違い、スラッとした体型で背も高い。父に似て、芝で切れそうなタイプだ。体型を見ると、距離のバリエーションもありそうだし、楽しみな馬だね」と言葉も弾む。

 スマイルコンテストの2007(牝、父ホワイトマズル、馬名「スマイルプライズ」予定)は、「スピードがあって、尚且つ、パワーも兼ね備えている。父の長所と、母系(父サッカーボーイ)の良さを受け継いでいる。馬っぷりもいいし、オススメの一頭だね」と高評価。母はオークス馬スマイルトゥモロー(父ホワイトマズル)の妹。父ホワイトマズルと、母系との相性の良さを考えても、大化けする可能性を秘めている。


筆者:辻三蔵
 レーシングライター。元「ホースニュース馬」美浦所属トラックマン。


※次回(6/12更新)は、須田鷹雄さんによる「須田さんのひとりごと」をお送りします。

須田鷹雄+取材班が赤本紹介馬の近況や有力馬の最新情報、取材こぼれ話などを披露します!

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