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おすすめ10頭の裏側

  • 2009年06月19日(金) 13時00分
 赤本掲載馬の近況……といっても私は北海道や牧場にいる立場ではないので、初回である今回はまず、「おすすめ」コーナーで推した馬にそれぞれどういう意図があったのかということを、一部近況とともにご紹介したい。

 まず1位の母ジェミードレス。今年は「プロフィールが良くて早期デビューじゃない、さらに自分以外推してこない」馬を上位に置こうと考えていた。それでいきついたのがこれ。どういう理由からか世間では早期デビューのような噂が流れているようだが、それはないでしょう。むしろ待ってこそのタイプ。

 これが当たるかどうかは分からないが、いまのPOGはセリをくぐっていなくて1回目のサンチバを受けていない馬だとぐっとマークが遅くなるので、「このタイプ」は指名妙味があるはず。今年はその方針を立てるのが遅かったので、来年はもっとじっくり候補選びをしてみようかと。

 ちなみに3位にした母レディアップステージ(馬名:フライングブイ)も、意図としては似た感じ。ただしこちらはセリ出身でサンチバ受検済み。私は橋口厩舎好きを自負しているが、いままでは深く考えず薔薇一族、みたいなところがあったので、今年は意識して別なところを掘ってみた。

 イメージしていたより早め進行になったのが母エルダンジュ(馬名:アドマイヤテンクウ)。秋デビューで、と思っていたら札幌へ。松田博厩舎はきらめく良血馬が揃っているが、大騒ぎされる馬たちの次の価格・血統帯でもポテンシャルは一緒という狙い。ただ、早め進行になったことで結局人気になってしまったんだけど……。NFで見たとき、しっかりした走りが好印象だった1頭でもある。

 母シーズアン(馬名:シーズンズベスト)と母デローベ(馬名:カレンパッキャオ)は新種牡馬枠。前者は藤沢和厩舎は意外にクラブ馬のほうが計算が立つということと、馬自体の良さから。現在は週2回13秒台をやる感じで順調とのこと。

 カレンパッキャオの方は実は関わりのある馬でもあるので身贔屓といえば身贔屓なのだが、馬のデキには自信がある。常歩など余裕のあるときには悪さをする子供っぽいところはあるが、キャンターだと重心が下がって良い。6月中に一回栗東に籍をつけに行き、そのままグリーンウッドで調整の予定。デビューは秋イチ。

 母アズサユミ(馬名:フェイルノート)は母に期待しつづけているのと、早来で見たときの印象から。母オーピーキャット(馬名:ミカエルビスティー)は、ネオユニヴァース牡馬でピンと来るのがいないな……と悩んでいたら、古谷剛彦氏がレーシングマネージャーをしている「ビスティー」にいいのがいた! ということで。矢作厩舎を入れたかったという理由もあり。

 母Funshineはせっかく行ったバレッツから1頭をと思い、個人的に気に入っているのは母Rahy Dollyなのだが、あまりにダートっぽすぎるので、シャープな馬体のこちらを選んだ。ちなみに選んだ時点でスーニの妹は購買されたかされないかくらいなので、検討していなかった。

 残り2頭、母エイシンルーデンス(馬名:エーシンリジル)、母テンシノキセキ(馬名:カレンナホホエミ)は牝馬を補充ということで、私の得意(なつもり)の栄進さんと橋口厩舎から各1頭。

 もうちょっと「牧場で見たら馬体が○○で……」とか「××牧場の情報では……」とか書いたほうが読者は萌えるのだと思うが、しかしあれよ、ちょぴっと牧場で見たときの印象を過信するより、プロフィール買いのほうが率が良いというのが正直なところよ。より正確に言うと、「見て良いと思った馬で、各種プロフィールのPOG向き」というのが理想ではある。その意味ではサンチバの時期が遅くなったのは本作りにとってプラスではない。その辺りはまた次回。

筆者:須田鷹雄
 1970年東京都生まれ、東京大学経済学部卒業。POGの達人としても知られ、監修を務める“赤本”こと「POGの達人」(光文社刊)は、POGユーザー必携の書と言われている。netkeiba.comでは「回収率向上大作戦」も担当している。


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