6月23日、24日と第2回産地馬体検査へ行ってきた(ちなみに23日は自分にとって37回目の誕生日)。
「え、産地馬体検査に2回目なんてあるの?」という読者の方、ノンノン、サンチバ(長いので可愛く略してみました)とデートは2回目もあるのです!
第1回サンチバとの大きな違いは、日程が4日間から2日間に短縮されていること。しかも無くなったその2日間というのが早来会場ということで、社台グループ(社台ファーム、ノーザンファーム早来牧場、空港牧場)の2歳馬たちが静内会場にやってくることも第1回との変更点と言えます。
「第2回目なんて、調教が遅れている馬ばかりじゃないの?」とお考えの読者の皆さん、シャラップ!!!!!
第2回のサンチバを受ける理由のほとんどが、秋入厩を目指している馬たち。つまりクラシックの王道を目指す大物が多いのも第2回サンチバの特徴なのです。
秋入厩を目指す浦河会場一の血統馬が、兄に今年のNHKマイルカップの勝ち馬ジョーカプチーノを持つ
ジョープライド(牡、母ジョープシケ、中竹厩舎)。父アルカセットが出ているからか筋肉質の馬体は、見るからに力強そう。
「現時点では兄よりもしっかりしています。走りもパワフルですね。気性も兄より落ち着いていますし、距離の融通も効きそうです」と兄も育成した山口ステーブルの山口代表は笑顔を見せてくれます。
赤本でも取材をさせてもらったディアレストクラブの育成馬
ナムラアンカー(牡、母ナムラヒミコ、父マイネルラヴ、目野厩舎)、馬名共にPOGで話題となっていた吉澤ステーブルの育成馬
ナンデヤネン(牡、母スギノフォルモーザ、父シンボリクリスエス、尾形厩舎)も元気な姿を見せていたなか、この会場で1、2を争う大物が
モズ(牡、母ベストブート、父スペシャルウィーク、矢作厩舎)と、
ルクールダンジェ(牝、母パーフェクトワールド、父アグネスタキオン、藤原英厩舎)。
2頭とも育成スタッフから「調教師も絶賛している馬です」との声が聞かれていました。モズは札幌デビューを予定しており、ルクールダンジェは牝馬クラシックを標準に合わせたローテーションとなりそう。2頭をドラフトで指名した方、本当におめでとうございます!
先ほども書いたように次の日の静内会場には社台グループの2歳馬が盛りだくさん。POG的な観点では、
ルーラーシップ(牡、母エアグルーヴ、父キングカメハメハ、角居厩舎)、
ゴールスキー(牡、母ニキーヤ、父ネオユニヴァース、池江郎厩舎)、
ホットチリペッパー(牡、母レッドチリペッパー、父ネオユニヴァース、松田博厩舎)というところが姿を見せており、3頭とも順調とのコメントをもらえました。
「優駿」の取材で見た山田ステーブルの育成馬
メイショウエバモア(牡、母パパゴ、父アグネスデジタル、池添厩舎)は、その時の印象以上に馬体が大きくなった印象を受けたが、スタッフの方に話を聞くと動きもダイナミックで元気もあり余っているとのこと。入厩は秋を予定しています。
パントクラトール(牡、母ヴィクトリーバンク、父キングカメハメハ、松田博厩舎)も「優駿」の取材で見つけた馬。赤本のドラフトでも9位で指名させてもらっております。
「坂路では軽く13秒を出しているほどです。乗った印象として短い条件で終わる馬と思えないですし、クラシックに行って欲しいですね」とノーザンファーム空港牧場のスタッフ。この馬も秋入厩を予定しているそうです。
半姉は桜花賞馬キストゥヘヴンというのが、
ダンツペリオッド(牡、母ロングバージン、父ゼンノロブロイ、本田厩舎)。
「元気が有り余っています。乗り味も良く、特に背中が素晴らしいですね。入厩は秋以降を予定しています」と加藤ステーブルのスタッフは、はきはきと答えてくれました。
赤本ドラフトでは世界の合田さんの7位指名馬
ジョイスティック(牡、母Hadji Bey、父Whipper、矢作厩舎)も乗り味の良さを高く評価されていた一頭。
「馬体だけでなく、最近は精神面も成長してきました」とはノーザンファーム早来牧場のスタッフ。入厩は秋を予定です。
この原稿のトリを飾る馬が、夢、いや夢×2、もういっちょ夢×3というドリーミーな馬体が付けられた
ユメユメユメ(牡、母Pattimech、父Azamour、稲葉厩舎)っす!
「凄い馬ですよ。馬体だけでなくスケールの大きな動きを見せていますし、坂路ではコスモバルクを2歳馬として初めて退けただけでなく、4ハロンで55秒台の時計も記録しています」とビッグレッドファーム明和の若林調教主任。
先日は真歌にも遠征してきて、初コースのハンデを背負いながらもオープン馬たちと互角のレースを見せたそう。現時点でもオープン級、いや、GI級かもしれない超大物ですが、活躍すればするほどPOGファンには残念なことに?英国ダービーに出走してしまうこと。いや、いいーーーんです!こうなったらオーナーの夢、スタッフの夢、そして僕らの夢も乗せて、イギリスに飛んでもらおうではありませんか!
※次週(7/10更新)は、POGの伝道師・須田鷹雄さんによる「須田さんのひとりごと」です。
筆者:村本浩平
1972年北海道生まれ。大学在籍時代に「Number ノンフィクション新人賞」を受賞。現在はフリーライターとして活躍。特に馬産地ネタでは欠かせない存在。
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