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おすすめ10頭の裏側・パート2

  • 2009年07月17日(金) 11時00分
 どうも、昨年度の赤本POG優勝の吉田竜作です。賞品はなくとも名誉はしっかりといただきました。あまり接点のなかった方々から、突然「おめでとう」と言われたりするのはうれしいやら、恥ずかしいやらで…まあ、改めて赤本の偉大さを思い知らされました。今年もこのコーナーを通じて2歳馬の情報をお伝えしていきますので、よろしくお願いします。

 今年も赤本誌上で10頭選んだが、1頭を除いてリストに載せた30頭はすべて関係者のお墨付きをもらってピックアップした馬。ぶっちゃけ、どれが取れても自信はあったが、ドラフト終了直後で唯一痛恨だったのがアドマイヤプリンスを競合で落とした点。

 馬体の造りなどはいかにも松田博調教師好みで、おそらくここの調教もマッチするはず。トレーナー自身も「今年の1頭を挙げるならこれかな」と言っていたこともあり是が非でも取りたかったのだが…うーん、残念。

 ちなみにデビューは「いつと決めずゆっくりやるが、普通には調教できている」というから、極端に遅くなることもなさそうだ。

 もうご存じの方も多いだろうが、最近になって入ってきた悲しいニュースが、フィールドシャインの骨折。西園調教師からレントゲン写真を見せてもらったが、きれいにタテに骨が割れていることから、偶発的に起きたアクシデントであるのは間違いなさそう。「ボルトを入れたので全治は6か月以上はかかるかな。ショックだよ」と西園調教師もがっくり肩を落としていた。こうなれば期間内に間に合うのを祈るだけだ。

 気を取り直して、今年指名した他の9頭について触れてみたい。アーデルハイトは骨膜除去手術が施されたが、その直後から松田博調教師のトーンが急上昇。「もともと歩様が硬く見えたからな。手術自体、馬に負担がかかるものではなかったし、順調にいけば年内にデビューできる」と鼻息が荒い。当初は「デビューはいつになるかわからん」と言っていたが、この手術によって、トレーナーが抱えていた不安要素が取り払われたと見ていいだろう。

 トゥザグローリーは大型馬だけにゆっくりのデビューと考えていたが、いざ2歳戦が開幕すると池江郎厩舎の馬房の回転がこれまでになく早くなっている。馬も順調にいっていることから、案外入厩もそう遠くないのでは。

 アドマイヤガッツは一時期歩様が悪くなったということだが、「もう何ともない。走るのは走るぞ」と徐々に気配が上向いているよう。あせらずにデビューを待ちたい。

 他の松田博勢で評価が高かったのはセイクリッドセブン。「顔が大きいのがちょっとアレだが、馬はいいぞ。乗っている人間も『これは違いますよ』と言っていた」とのこと。順調に乗り込まれているとあって、入厩も遠くはなさそうだ。

 タイガーバローズはデビュー直前までいったが、ソエで放牧に。ただ、それでも「やるたびに馬がしっかりしてきたし、これはちょっと走ってくるよ」と伊藤助手が高評価を与えてくれた。辛口の彼が言うことだけに、これは期待が持てそう。「夏を越してから帰すつもり」(中竹調教師)というから、秋からの再始動を楽しみに待ちたい。

 エーシンウェズンは、福永騎手が岡山の育成牧場でまたがり最高評価を与えたという馬。野中調教師は「そこまで言うほどかな。悪い馬ではないけど」と慎重な姿勢取っているが、もちろんこれは期待の裏返し。「8月になれば着地検疫が明けるので、すぐに栗東に連れてくるつもり。すごいパワーがあるし、マイルまでは持つと思うぞ」というから、今からその日が楽しみだ。

筆者:吉田竜作
 「日本一のPOG記者」との異名を持つ大阪スポーツ記者。

※次回(7/24更新)は、須田鷹雄さんによる「須田さんのひとりごと」です。


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