赤本掲載馬の近況情報ということで、まずは私がドラ1にした
母ジェミードレス(牡・父スペシャルウィーク・橋口厩舎)から。
個人オーナーの馬であり情報が少ないので皆やきもきしているだろうと思い、社台ファーム東調教主任に電話取材してみた。
それによると、牧場に居る中ではいちばん順調に進んでいる組に入っており、13-13秒あたりもやっているとのこと。時期についてはもともとお盆過ぎには持っていく予定だったが、山元トレセンが混みあっているので8月末くらいになるかもしれないとのことだった。
厩舎は早め進行が得意な厩舎だが、馬自身は夏を越えてからのほうが良くなりそうなタイプ。春の時点で取材していた人間も「秋になってから」と考えていた馬だけに、十分順調に進んでいると言えるだろう。
ちなみに私がこの馬を1位にしたのには「よそが絶対ドラ1にしてこないような馬を」という意図があったのだが、そのわりには巷のPOGでもそれなりに人気にしていただいているようで、なにやら恐縮である。
私のドラ2、
アドマイヤテンクウは既にデビューした。この馬については別原稿で既に詳しく書いたが、あれだけ遺憾な調教&仕上がりで緒戦3着は儲けもの。叩いて上昇してくれればいいが、そう単純にいかないのが馬の難しいところ。個人的には坂路のある環境で調教したほうが良いように思うが……。
デビュー間近なのが
シーズンズベスト。8月15日(土)の札幌で芝1800mとダート1700mの両睨みだったが、ダートの方を使う可能性が強まったようだ。ゲートの駐立がイマイチとかソエっぽいとか微妙な感じになってきたが、それ以上に心配なのが「ゼンノロブロイ全般」。8月9日までに中央では12頭が16走して[0-1-1-14]。
デュランダルが14頭で28走、[2-6-2-18]なのに比べると、そもそも出てきている頭数が少なすぎる(産駒頭数はゼンノロブロイの方が多い)。大器晩成型なのだと考えたいが……。地方ではぼちぼち走っているので、ダート向きという可能性もある。
いま名前が出たデュランダル産駒では
カレンパッキャオが私の推していた1頭だが、同馬のデビューは10〜11月になりそう。函館に入厩した時も使って使えないことはない状態だったようだが、使って新馬勝ちはまず無い状況。デュランダルにしては距離のもちそうなタイプでもあり、ここが我慢のしどころ。平田師は「デビュー戦は1800m以上で」と言っている。ちなみに同じオーナーの
カレンチャン(こちらは安田隆厩舎)は9〜10月デビュー。
あと、個人馬主の馬で私のおすすめ10頭に入っていたといえば
オーピーキャット母(馬名ミカエルビスティー)。引き続きノーザンファーム空港で調整中で、9〜10月に入厩予定とのこと。最近のトレンドと比べた場合ちょっと遅い進行に思えるかもしれないが、もともとこのくらいの予定だったとのことである。
既にデビューした中では、私の下位指名&速攻組、
カレンナホホエミと
エーシンリジルが明暗を分けつつある。
エーシンリジルについては今年は岡山へ取材に行けなかったので、「評判のいい中でポテンシャルのありそうな血統」という基準で選んだのだが、エーシンについては、後々のことを考えず早い時期の1200mにフィットしそうな馬だけを狙う方がよいのかもしれない。特に相性のよいのがサクラバクシンオー産駒で、今年は既に2頭が勝ち上がり、
エーシンハダルも次走はチャンスがありそう。昨年もエーシンビーセルズが勝ち上がっている。
赤本で取材をかけた育成場についてはどうしても1頭はピックアップしないと勿体ないという気になり、しかも一番評判が良いか一番血統にスケールのある馬を取りたくなってしまうが、世の中そう単純ではいけないのだろう。ちなみにカレンナホホエミは吉澤ステーブル原稿での登場順は4番目だったが、血統と厩舎の相性が良かったと思う。
筆者:須田鷹雄
1970年東京都生まれ、東京大学経済学部卒業。POGの達人としても知られ、監修を務める“赤本”こと「POGの達人」(光文社刊)は、POGユーザー必携の書と言われている。netkeiba.comでは「
回収率向上大作戦」も担当している。
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