ゼンノロブロイ産駒の
シーズンズベストが新馬戦に優勝した。
別原稿に書いたが同馬のデビュー直前はダートに回るかもといった話も出ていたし怪しいムードを感じなくもないのだが、案ずるよりなんとやらで、めでたく新馬勝ちとなった。私も赤本のおすすめ10頭に入れている身なので、一安心である。
と同時に、これはゼンノロブロイ産駒のJRA初勝利であった。出足の遅さが気になっていたロブロイ産駒だが、若干ムードが変わったと言えよう。
ただ、これで一気に流れが変わるとも限らない。そこで今回は、SS系種牡馬の主力どころについて、初勝利の時期とその時点での成績、さらに2頭目の勝ち上がりまでのタイミングを調べてみた。
まずはサンデーサイレンス自身。有名な話だが、産駒初出走のキタサンサイレンスがいきなり1着(日付では6月18日)。2頭目3頭目が同じ新馬でデビューし、そのうちの1頭、プライムステージがこれまた優勝した(7月9日)。
フジキセキ産駒の初勝利は3頭目・5走目のノボマーチャンで7月11日。2勝目は8走後のカオリチェリーで8月8日。
ダンスインザダーク産駒の初勝利は4頭目・4走目のツルマルボーイで7月15日。2勝目はだいぶ遅れて9月9日だった。
アグネスタキオン産駒の初勝利は2頭目・4走目のタキオンバッハ(7月10日)。ちなみにそこまでの3走はすべて2着。2勝目は5走後の7月23日。
スペシャルウィークも父と同様、初戦と2戦目を勝っている(6月21日と6月28日)が、3勝目が12月6日までズレ込み、周囲をやきもきさせた。
他にアドマイヤベガ、マンハッタンカフェは7月中旬に初勝利を済ませている。遅かったのはバブルガムフェローで、初勝利が13頭目・19走目だった。
それに対してゼンノロブロイは、15頭目・20頭目で8月15日に初勝利である。これは種付け頭数に恵まれたSS種牡馬としてはかなり遅い。
現時点でJRAに籍のついているゼンノロブロイ産駒は52頭(血統登録されたのは121頭)、比較対象としてデュランダルはJRA登録が41頭(血統登録95頭)である。そしてデュランダル産駒は2着が多いとはいえ、初勝利が7月4日、2勝目が8月8日に済んでいる。さらにぐっと産駒数の少ないアドマイヤマックスも、8月2日に2勝目が済んでいる。
初勝利や2勝目に目くじらを立てる必要はないのかもしれないが、数のメリットがあるわりに、さすがに出足が遅いような気がする。この点は意識しておいていいだろう。
配合相手に恵まれているということはなにかしら大物は出る可能性があるわけだが、一方でPOGでは率も大事。ゼンノロブロイはもうちょっとペースアップしないと、いわゆる「POG向き」という範疇からは外れてしまう。
※次週(8/28)は、村本浩平さんが登場します!
筆者:須田鷹雄
1970年東京都生まれ、東京大学経済学部卒業。POGの達人としても知られ、監修を務める“赤本”こと「POGの達人」(光文社刊)は、POGユーザー必携の書と言われている。netkeiba.comでは「
回収率向上大作戦」も担当している。
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