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ネオユニA級配合馬、ネオヴェリーフェズ

  • 2009年08月25日(火) 00時05分
エイシンゼウス(牡 美浦・久保田貴士 父Giant's Causeway、母Baraka)
 母Barakaは本邦輸入種牡馬ピルサドスキーの半妹。両馬ともにDanzigを2代父に持つので血統的にはかなり近い。現役時代はイギリスのオークストライアルS(芝11f)を勝った。本馬の父Giant's Causewayは現役時代、わずか2か月半の間にG1を5連勝して「鉄の馬」の異名を取った。種牡馬としても成功し、日本では京王杯スプリングC(GII)を勝ったスズカコーズウェイの父として知られる。「Giant's Causeway×デインヒル」の組み合わせは、オーストラリアのロバートサングスターS(G1)を勝ったJuste Momenteと同じ。馬のデキさえよければ期待できそう。芝・ダート兼用の中距離タイプ。

クレタパラドックス(牝 美浦・大竹正博 父サクラバクシンオー、母ブラッシングインザレイン)
 半兄に中山金杯(GIII)を勝ったトーホウシデン(父ブライアンズタイム)がいる。母ブラッシングインザレインはRed GodとNijinskyのニックスを持っている。サクラバクシンオーはNijinskyとニックスの関係にあり、この組み合わせからショウナンカンプ(高松宮記念など重賞3勝)、シーイズトウショウ(CBC賞など重賞5勝)、メジロマイヤー(きさらぎ賞など重賞2勝)など多数の重賞勝ち馬が出ている。本馬はこのパターン。ここ数年は兄弟に活躍馬は出ていないが、この配合なら楽しみ。

サトノサターン(牡 美浦・藤沢和雄 父Tiger Hill、母メイボール)
 母メイボールはフランスのモーリスドゲスト賞(G1・芝1300m)を勝ったスピード馬。父Tiger Hillはドイツを本拠に活躍したデインヒル系の名馬で、バーデン大賞(G1)2連覇など3つのG1を制覇したほか、凱旋門賞(G1)3着の成績がある。本馬は、スタミナ色の強い父と、スピード色の強い母から誕生したので、どういったキャラクターの競走馬になるのか予測がつきづらい。いずれにしろ日本の高速馬場に適応できれば、潜在的に高い資質を備えているので楽しめそうだ。

セレナプレジール(牡 美浦・加藤和宏 父アルカセット、母トーセンエキコ)
 父アルカセットは現役時代にジャパンC(GI)をレコード勝ち(2分22秒1)した芝中長距離のスピード馬。ヨーロッパの重い芝よりも日本の高速芝に適性があった。今年の2歳世代が初年度産駒だが、現在のところ14頭が出走して連対すらしていない。かなり厳しいスタートとなった。本馬はMr.Prospector 3×3、Nureyev≒Number 4×3で、要するにKingmambo≒ジェイドロバリー2×2と表現できる。素軽さが足りない種牡馬なので、これぐらい大胆な配合ならば、あるいは動けるかもしれない。

ネオヴェリーフェズ(牝 美浦・鹿戸雄一 父ネオユニヴァース、母フォルナリーナ)
 母フォルナリーナは報知杯4歳牝馬特別(GII)の3着馬。半兄マルカシリウス(父フジキセキ)は準OPまで出世したまずまずの活躍馬だった。「ネオユニヴァース×Capote」の組み合わせは、レパードS(重賞)で4着となったアドバンスウェイと同じ。また、母系にConquistador Cieloを持つネオユニヴァース産駒にはミクロコスモス(08年阪神ジュヴェナイルF-GI・3着)がいる。母系は父と相性のいい血で構成されており、兄弟も走っているので期待できそう。ネオユニヴァースの2歳世代のなかではA級といえる配合だ。芝・ダート兼用の中距離馬。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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