シルバーウィークの話なのでちょっと前のことになるが、北海道で2〜3の牧場へ行ってきた。
そのうちノーザンファーム(早来)では、林厩舎に入ったばかりの1歳馬を見に行ったのだが、後ろを見切れていく通りすがりの2歳馬が豪華メンバー。
すごい馬格と風格の馬が通り過ぎていったので、古馬かと思い聞いてみたら実は
アドマイヤフェスタ(母ブルーアヴェニュー)。先に(POG的な)ネガティヴ情報から書いてしまうと、だいぶ時間はかかりそう。個人的な見立てだが年内デビューはないと推測する。
そう聞くと短絡的なPOGファンには「ハズレ」みたいな扱いを受けそうだが、馬っぷりはすごい。私は最近の兄姉が走っていないことからこの馬は推していなかったと思うが、それでも馬そのものを見たら惚れぼれする。
最近のPOGテクニックというのはこういうデビューの遅れる良血馬を「取らない」ことによって成立しているし、評論家の立場からもたいていの馬について「走らない」と予想してみせるほうが、当たる確率は高い(世の中、走らず終わる馬のほうが圧倒的に高いのだから当たり前)。ただ、紙一重でホームランになる可能性を考えると、どこまでリスクを取りに行って、結果が悪くてもあきらめるということは考える必要があるだろう。
ちなみに、同厩舎には
アドマイヤガッツ(母マイケイティーズ)もいた。サイズ的にはアドマイヤフェスタよりもでかく、アドマイヤコブラよりもでかいと思うが、そう見えて動きは軽いとのこと。親子であってもフレンチデピュティとクロフネの間にはニュアンスの違いがあるが、それがそのまま出ているようだ。
NFの馬の話をしたついでに、赤本で私が推していたNF馬の近況について少々。
フェイルノート(母アズサユミ)は9月の末に入厩して、気がついたらゲートも受かっていた。シンボリクリスエスなので初戦は取りこぼすかもしれないが、ともあれ東京のうちにデビューできそうだ。気の早い話だが1歳の弟もセリではかなりのデキの良さを見せていただけに、期待している。
フライングブイ(母レディアップステージ)はご存じのように9月上旬に入厩済み。
カレンパッキャオ(母デローベ)は9月中旬にグリーンウッドに移動して待機中。かなり母方が出ている印象で平田師も「ちょっと手先が重い」と予防線(?)を張りはじめているが、そのかわり距離は確実にもつし、エンジンがかかってからは速いとのこと。京都の終盤か、5回阪神の1800〜2000mで下ろすことになりそうだ。
ミカエルビスティー(母オーピーキャット)もデビュー時はほとんど同じくらいのはず。
そういえば、皆が忘れかけていた
アーデルハイト(母ビワハイジ)はハロン18秒くらいまで戻ってきたようで、このまま順調なら年明けすぐくらいのデビューも可能なのでは?
一頓挫した馬で驚異的な回復を見せているのは
ヴァルガリス(母ライラックレーン)。ハロン15秒まで進んでそろそろ入厩もとの話になっている。仕上がり早い馬というのはとことん早いという教訓になる馬だ。赤本編集真っ最中の4/18に骨折したのでシルシを外したのだが、こうなるならばシルシは残しておけばよかった……。
筆者:須田鷹雄
1970年東京都生まれ、東京大学経済学部卒業。POGの達人としても知られ、監修を務める“赤本”こと「POGの達人」(光文社刊)は、POGユーザー必携の書と言われている。netkeiba.comでは「
回収率向上大作戦」も担当している。
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