スマートフォン版へ

ダートで勝ち上がったはいいが……

  • 2009年10月16日(金) 11時00分
 この原稿はエーデルワイス賞の出走馬が決まりつつあるところで書いているのだが、なにせ1勝馬だらけの登録馬から決めなければならないので、どうにもすっきりしないことになりがちである。

 1勝したあと500万条件やオープンでグダグダに負けた馬が選考順上位になることがある一方で、新馬や未勝利緒戦をいい内容で勝った馬がはじかれることもあるわけで、今年でいうとケイアイデイジー(1戦1勝、補欠4位)やアースサウンド(2戦1勝2着1回、補欠5位)の関係者はストレスを感じていることだろう。

 この時期のダート馬にとって厄介なのは、かわりに使うレースが無いことである。早々にエーデルワイス賞をあきらめてプラタナス賞へ……と思っても、そちらで除外になる可能性もある。ちなみに今年は特別登録の段階でフルゲート16頭に対し30頭の登録があった。

 2歳500万条件のダート戦は昨年実績で9、10月は各1鞍ずつ。11月、12月は4〜6レースになるが、距離も考えると潤沢に用意されているとは言えない。ちなみに芝は昨年実績で11月10鞍、12月8鞍。12月が少ないように見えるかもしれないが、オープンの数を考えるとやはりダート馬はつらい。

 そこでダート馬を抱える陣営が考えるのは、度胸一発芝を使ってみようかということだ。ただ、それはどの程度通用するものなのだろうか?

 2004年以降、ダートで2歳新馬を勝った馬は今年10/11までで265頭。そのうち、半年以上の休み明けにならない形で500万条件を使った馬は169頭(少なく思うかもしれないが、オープンに行く馬も多いのでこれで合っている)。その芝・ダート別成績は……。

芝  (0.0.3.24)
ダート(20.13.14.95)

 なんと、芝に転戦して連対した馬は1頭もいないのだ。

 同様に、ダートで2歳未勝利を勝った馬・554頭についても見てみよう。いきなり結論だが、

芝  (2.1.5.53)
ダート(28.39.33.260)

 このようになっている。

 こちらは分母が大きいぶん2頭の勝ち馬が出ているが、その2頭とはプライドキムユキチャン。重賞級の馬でないと「芝の壁」は越えられないということになる。

 つまり、「ダートの番組が無いときのダート馬はどうしたらよいのか?」→「我慢しろ」ということになる。

 以前、賞金面からPOGにおける「ダート馬の不利」について書いたことがあったが、やはりダート馬はかなりのディスアドバンテージを背負っているということになる。

筆者:須田鷹雄
 1970年東京都生まれ、東京大学経済学部卒業。POGの達人としても知られ、監修を務める“赤本”こと「POGの達人」(光文社刊)は、POGユーザー必携の書と言われている。netkeiba.comでは「回収率向上大作戦」も担当している。


出走前日の23:59まで指名OK!新シーズンの「POGダービー」で盛り上がろう!

須田鷹雄+取材班が赤本紹介馬の近況や有力馬の最新情報、取材こぼれ話などを披露します!

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング