松田博厩舎では
アドマイヤプリンスが先週デビューを果たしたが、これに続いて良血馬が続々とデビューする予定だ。
注目は
セイクリッドセブン(牡、父フジキセキ、母グレースランド)だろう。同厩舎でクラシックを賑わせたドリームパスポートの全弟にあたる。何度かお伝えしたとおり、これまでは「顔が大きい」という話しか出てこなかった同馬だが、実際はそれほど大きくない。
担当の寺崎厩務員も「顔が長いからそう見えるのかも。言うほど大きくないよ」と「顔デカ説」を否定する。では、動きはどうなのか? 調教にまたがった藤原助手は「普段はおとなしいけど、乗ったらピリッとする。キャンターに行ってもいい走りをする」と高評価を与えているのだから、やはり潜在能力は高そう。ゲート試験合格次第にデビューというから、5回京都開催で姿が見られそう。
阪神JF2着のレーヴダムールの半弟にあたる
レーヴドリアン(牡、父アグネスタキオン、母レーヴドスカー)がこれに続きそう。「いつもはおとなしいが、まだ周りを気にするところがある」(中留調教厩務員)ため、ゲート試験合格にあと一歩及ばずにいるが、これも時間の問題だろう。「カイバもよく食べてくれるし、少しずつ良くなってきました」と前出の中留くん。松田博調教師も「順調にきているし、走ってくると思うぞ」と手応えありの口ぶりだった。
さて、気になるのは同厩舎の未入厩組だろう。中でも「アドマイヤ」冠の高馬については情報も少ないためにやきもきしている人も多いことだと思う。
まずはアドマイヤムーンの半弟
アドマイヤガッツ(牡、父クロフネ、母マイケイティーズ)。春先は「体質が弱いのか、シャキッとしてこない。無理はさせず馬に合わせてやっていく」と言っていたが、ようやく上昇カーブに乗ってきたようだ。「今は足元から何からしっかりとしてきた。調教もバリバリやっている」というから、入厩の声を聞くのもそう遠い日ではなさそうだ。
クロフネの半弟
アドマイヤフェスタ(牡、父アグネスタキオン、母ブルーアヴェニュー)は、一部で報じられたようにノドを手術した。しかし、術後の経過が順調で「こちらもバリバリやっている」とのこと。同じような症状を抱えた
タクティクスが勝ち上がっているように、それほど深刻にとらえなくてもよさそうだ。
札幌の未勝利戦以来となる
アドマイヤテンクウ(牡、父キングカメハメハ、母エルダンジュ)も近日帰厩予定。能力を秘める馬だけに、未勝利を勝ち上がるのにも時間はかかるまい。
また、ブエナビスタの半妹にして、アドマイヤオーラの全妹
アーデルハイト(牝、父アグネスタキオン、母ビワハイジ)も軌道に乗ってきた。「だいぶ絞れたな。530kg近くあったのが、500kgくらいになってきた。動いているのを見ても素軽くなってきたもんな。(骨折した)膝についてはこういう形だし、血統的にもこういうところは似てくるんだろう。まあ、ギリギリ年内に入厩できるかなという感じ」とのこと。膝の剥離骨折でショックを受けた人も多かっただろうが、まずはデビューのメドが立ったと言えそうだ。
友道厩舎の
サクラルーセント(牡、父グラスワンダー、母サクラエンプレス)は阪神開催でのデビューになりそう。「今から1か月ほど乗り込んでからデビューさせる予定。あまり大きなことは言わないよ(笑い)」と友道調教師。
なぜ笑いがこぼれたかというと、昨年は
ダノンフィーバーを「アンライバルド以上」と言ってしまったため。同馬も「
サクラエルドールよりもこちらの方が上」と言っていた時期があったのだが、それをあえて封印する形に。果たしてこの封印の効果はあるのか? あと1か月、追い切りなどを見ながら追いかけてみたい。
筆者:吉田竜作
「日本一のPOG記者」との異名を持つ大阪スポーツ記者。
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