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夏のオープン特別勝ち馬を考える

  • 2009年11月13日(金) 11時00分
 ごく個人的な話だが、カレンナホホエミファンタジーSでドカ負けを食らって意気消沈しながらの更新である。

 同馬は、新馬→フェニックス賞と連勝した後、橋口師が「将来性のある馬だから、荒れ馬場の小倉2歳Sは使わずに阪神JFやその後を目指す」と判断して小倉2歳Sを回避した。

 はじめに断っておくと、私はこのジャッジメントに一切不満はない。橋口師には一口でもPOGでもお世話になってきたし、そういったプロの判断に乗るというのもPOGの一面だからだ。

 その一方で、いざレース結果が出てみると、「早い時期でのオープン特別勝ちというのは、どのくらいの価値があるのだろう?」という、全く別な疑問が湧いてきた。

 そこで今回調べてみたのが以下のような内容である。まず、6〜8月の2歳オープン特別(九州産馬限定のひまわり賞は除く)勝ち馬を、99年まで遡る。その上で、その馬たちが重賞でどのような成績を残していたかを調査するのだ。

 99年から今年まで(10年+今シーズンの現時点)で、6〜8月の2歳オープン特別を勝った馬は50頭。

 その馬たちの平地重賞成績は以下の通り。

トータル  (30.22.39.222)
2歳時  (14.10.17.58)
3歳時  (6.8.17.96)
4歳時  (7.2.3.27)
5歳時  (0.2.0.23)
6歳時  (2.0.1.11)
7歳時  (1.0.1.7)

 実際に勝った馬の数(1頭で同一年に複数回勝つこともあるので)は、2歳時から順に12頭、4頭、3頭、0頭、1頭、1頭。ちなみに6歳時と7歳時の優勝馬はともにウインラディウスなので、その他の馬は4歳までしか重賞を勝っていない。

 全年齢トータルで重賞勝ち馬を数えると、16頭。そのうち12頭は2歳時に勝っているわけだから、早い時期のオープン特別勝ちは3歳以降の重賞勝ちにあまりつながっていないことが分かる。また、ウインラディウスがいなかったら5歳以降は全員重賞勝ち無しということになるわけで、「早熟性」という概念を強く感じることができるだろう。

 ちなみに、POG期間でもある3歳春に重賞で連対した馬は9頭いるのだが、そのうち2歳夏の重賞(9月に行われる札幌2歳Sを含む)に出ていなかった馬はアグネスソニックだけ。ただし同馬はオープン特別を2つ使われている。

 つまり、夏にオープン特別を勝てるような馬は夏の間に遠慮なく使ってしまったほうがいいということだ。POGでもそういう「使うタイプ」の厩舎を選んだほうがよいだろう。ちなみに橋口師も今回はたまたま温存策を取ったが、基本的には「使うタイプ」の厩舎なので、本来のPOG作戦では重視したい厩舎である。

筆者:須田鷹雄
 1970年東京都生まれ、東京大学経済学部卒業。POGの達人としても知られ、監修を務める“赤本”こと「POGの達人」(光文社刊)は、POGユーザー必携の書と言われている。netkeiba.comでは「回収率向上大作戦」も担当している。


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