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神戸新聞杯

  • 2002年09月23日(月) 12時22分
 菊花賞に向けてのローテーションが、1999年までの菊花賞が11月に行われていた当時とは異なっている。この神戸新聞杯か、1週前のセントライト記念を使うかだけ。したがって夏にオーバーホールはするものの、少なくとも8月に入ったら乗り出さなくてはいけない。春の疲れがドッと出た馬にとっては、9月の神戸新聞杯にそれなりの状態で出走できる形に持ってくるのは、難しいのだろう。

 今回の神戸新聞杯では、皐月賞の2着馬タイガーカフェが夏に歯替わりなどでカイ食いが細り、秋の始動に失敗した。いきなりマイナス10キロで、10着凡走では本番での巻き返しは非常に難しいだろう。少なくとも成長の跡はなかったことになる。

 ローエングリンは6月末の宝塚記念に出走した。したがって、8月から乗り出すのに実はオーバーホールの期間はなかったことになる。9月に美浦で時計を出し始めたときから馬体の成長に?がついていたが、今回、1000m通過60秒0の楽なペースで(後半1000mは59秒1)、14着に失速しているようでは、ポン駆けうんぬんは別に、巻き返しに黄信号だ。さらには宝塚記念3着(2分13秒1)の記録に価値があるのかどうか、再確認する必要も生じさせた。あのレース、案外レベルは高くない危険がある。

 そんな中、シンボリクリスエスは一番順調にきていた。ダービー2着馬がもっとも無難に仕上がっていたから結果は順当だろう。この馬、折り合いに不安がない点がいい。3000mに対する死角も少ない。

 ノーリーズンはやや急仕上げでマイナス4キロは少し心配だったが、こちらは武豊騎手が大事に乗ってステップレースをクリアした。骨折明けだっただけに、合格点。タメる形をとっても切れ味が長続きすることを確認できた点は大きい。レニングラードは差す形を取ったが、ムリに下げた時点でその展望が正解ではなかった。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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