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クロフネ産駒の馬券教室

  • 2011年03月10日(木) 21時00分
 先日東京競馬場のイベントで鈴木淑子さんとトークさせていただきました。

 予想はハズレに次ぐハズレでしたが、皆様の熱気と淑子さんのトークで大変楽しいひと時を過ごすことができました。

 その際、淑子さんにおそらく感心していただいたのが(淑子さんから皆様に復唱なされたぐらいですから)「クロフネは芝でこそ!」というフレーズです。

 データを出すまでもないでしょうが、クロフネ産駒は、ダートの1200m〜1800mでは勝ち星ランキングで1位になっているように、ダートの方が勝ち星は圧倒的に多い種牡馬です。

 一方、芝の方が勝ち星も少なく、勝ち星ランキングも下がります。しかし、クロフネ産駒はダートよりも芝の方が期待値は優れているのです。

 クロフネ産駒のダート1200mは、勝ち星ランキングは1位ですが、複勝回収率は50%台です。独自に作成している複勝回収指数(回収率の欠点である、超高配当によるブレを修正したもの)でも40%台の低い水準を示します。

 対して、芝の1000m〜1300mはダートよりも回収率は優秀です。複勝回収率も87%。複勝指数も140%という抜けて高い数値を示しています。馬券の面では、クロフネを買い続けるならば、ダートの短距離よりも芝の短距離の方が期待値は高いのです。

 クロフネ産駒がダートよりも芝の短距離の方が期待値が高いのは、クロフネ産駒は「高配当が出やすい芝の短距離馬場」に対しての適性が高いからです。

「高配当が出やすい芝の短距離馬場」とは、通常の馬場とは違った適性が問われる馬場のことです。今までとは違う能力を発揮する確率が上がるので、高配当が出やすくなるのです。
 
 クロフネは、ダート適性が高いように、通常の芝よりも、パワーが要求される芝短距離への適性が極めて高い種牡馬です。

 たとえば、先週の小倉芝は、パワーが要求されて高配当が出やすい馬場になりました。そして、土曜小倉12Rで10番人気のブラーニーストーンが2着。日曜小倉11Rでも4番人気のリュンヌが勝利したのです。

 ちなみに、土曜小倉12Rは3連単が286万馬券、日曜小倉11Rも3連単は14万馬券と高配当が出ましたが、これも人気馬が走りづらく、普段の1200mとは違う適性を持つ馬が走りやすい馬場になった影響も大きいでしょう。

 ただ、個人的に先週はクロフネ産駒の金言を活かしきれませんでした。痛恨だったのは、、競馬総合チャンネルのコラムでも推奨した、土曜中山11R、オーシャンSに出走したクロフネ産駒のセイコーライコウです。

 セイコーライコウの前走は、京都芝で行われたシルクロードS。サンデー系のマンハッタンカフェ産駒が1、2着だったように、キレも要求されるレースでした。
 
 オーシャンSが行われる中山芝は、京都の芝よりもダート適性が問われやすいので、今回の方が力を発揮できると考え、勝負レースに指定したのですがクビ差及ばずの4着。
 
「クロフネ産駒は芝でこそ」という金言は、非常に優れモノだとは思うのですが、それを知っているからと言って、必ず儲かるわけではないのが、競馬の難しいところです。

 セイコーライコウで馬券を取れれば、まさに馬券教室にぴったりの教材になったのですけれども。

 それから、クロフネ産駒は重賞での活躍馬も、ホエールキャプチャ、スリープレスナイト、オディールなど牝馬の方が多いように、牝馬の方が金言の威力は増します。これについては、また次の機会にでも取り上げます。

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血統馬券予想理論『血統ビーム』の提唱者で、『ブラッドバイアス』『大系統』『小系統』などの血統予想用語、概念の作者。血統ビームの革新性は20世紀末の競馬予想界に衝撃を与え、現在は競馬ファン、競馬評論家に多大な影響を与え続けている。また『競馬予想TV!』『競馬血統研究所』(ともにCS放送フジテレビONE)に出演するなど活躍中。Twitterはコチラ。
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