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日本競馬を支える特殊馬場の重要性

  • 2011年03月31日(木) 21時00分
 ドバイワールドC。素晴らしいレースでしたね。

 優勝したヴィクトワールピサの父はネオユニヴァース

 ネオユニヴァースは芝2000mが得意な産駒とダート1800mが得意な産駒が同じぐらい出る種牡馬です。芝、ダートどちらも走るけれども、どちらも突き抜けた才能はありません。

 よって、究極のスピード勝負や、パワー勝負では突き抜けることはできませんが、芝なんだけどダート寄りのパワーが要求されたり、逆にダートだけれども芝寄りのスピードも要求されるような「特殊馬場」が最も才能を発揮する条件となります。

 つまり、ドバイワールドCは、日本的な見方をすれば、「芝寄りのダート」を得意とする馬が走りやすいような「特殊な馬場」だったのかもしれません。(そもそもオールウェザー自体が特殊ですが)

 そして、今回のレースでは「様々なコース形態、馬場」でレースを行うことの重要性も改めて認識しました。

 もしも、日本の高額賞金GIを、東京と京都の芝に集中させてしまったら、パワーが要求される日本の芝GIがほとんど存在しなくなります。よって、ヴィクトワールピサのようなタイプの才能を発掘しづらくなってしまうのです。

「特殊馬場」は多彩な競走馬の才能を発掘するばかりではなく、馬券的にも重要な役割を示します。たとえば、先週の小倉芝は、穴馬券を好むプレイヤーにとっては貴重な馬場になりました。

 先週の小倉の芝は1、2人気が10レース中3勝しかできませんでした。単純に4人気以下の単勝を全部買い占めるだけでも勝ててしまう、大富豪馬場となっていたのです。

 人気馬は近走のパフォーマンスが評価されるわけですから、1、2人気が勝てないということは、近走までの馬場とは異なる「特殊な」能力が要求されている馬場状態ということになります。

 また、先週の小倉芝は、前走芝に出走していた馬と、ダートに出走している馬の勝率、複勝率がほぼ同じでした。(前走ダート出走馬の複勝回収率は200%を越えていました)

 近走はダートに使っていたようなパワー型の馬が、前走まで芝を使っていた馬と同じぐらいの確率で走ってしまうなんて、特殊どころか異常とまでいえる馬場状態です。

 このような馬場状態では、あえて「中央の芝では主流ではない」種牡馬を狙うことで高配当を獲得できるチャンスが広がります。

 たとえば、3月26日の小倉10レース。勝ったのは12人気のラガーアンバー。父はチアズブライトリーです。

 ラガーアンバーは近2走でスタンダードな東京の芝などに出走して2走連続で10着でした。しかし、着差はいずれも0.5秒差、0.6秒差の接戦。

 ラガーアンバーの父チアズブライトリーは現役時代、不良馬場やローカル最終週の芝で重賞を勝っていたように「特殊な馬場」が得意な馬でした。

 その産駒のラガーアンバーも、近走のスタンダードな芝よりも、今回の「特殊な芝」の方が明らかに向いていることは容易に想像できるのです。

 このレースの3連単の配当は16万800円。ホームページで公開している予想で本命、対抗、4番手の大本線で的中することができました。

 強いカード(リーディング上位種牡馬)が弱くなり、弱いカード(リーディング下位種牡馬)が強くなる、まさにトランプの大富豪(別名大貧民)のような革命が起きる「特殊馬場」は、競走馬の才能を埋没させないことに加え、ヘヴィープレイヤーの馬券購買欲を盛り上げることでも貴重な役割を担っているのです。

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血統馬券予想理論『血統ビーム』の提唱者で、『ブラッドバイアス』『大系統』『小系統』などの血統予想用語、概念の作者。血統ビームの革新性は20世紀末の競馬予想界に衝撃を与え、現在は競馬ファン、競馬評論家に多大な影響を与え続けている。また『競馬予想TV!』『競馬血統研究所』(ともにCS放送フジテレビONE)に出演するなど活躍中。Twitterはコチラ。
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