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新バージョンの桜花賞

  • 2011年04月07日(木) 21時00分
 先週のコラムでは、3月26日のラガーアンバーが勝った土曜の牧園特別をホームページで公開している予想で、本命、対抗4番手の本線で3連単160,800円を的中したことを報告しました。

 そして、先週も牧園特別と同じ小倉芝2000mで行われた土曜の日田特別を単勝10番人気で勝ったレディパレードを本命にて3連単117,730円を的中させました。
(余談ですが、長い写真判定の後、3着に3番の文字が出たときにはガッツポーズをしました。しかし、同着は馬番順に表示されるのです。20万馬券だと思って喜んだ後に10万馬券と知ると虚しいものですね)

 この2つのレースで穴をあけたラガーアンバーとレディパレードに共通しているのは、どちらも「中央よりも馬力が要求されるローカルの方が得意なタイプ」であることと「出走馬の中では持久力が上位」だったことです。

 今の小倉は、道中はインコースをべったり走り、3コーナーから徐々にポジションをあげていって最後まで末脚を持続できる競馬を得意とする馬が有利です。

 しかし、インコースの馬場は、それなりに速いタイムは出るのですが、馬力が要求されるためタフな状態のようです。よって、インコースを走って、直線でも末脚を持続するには、タフな馬場も苦にしない馬力に加えて、最後まで末脚を持続できる持久力、スタミナが要求されるのです。

 ラガーアンバーとレディパレードが、馬力と持久力に優れていることは、前走で類推することができます。

 2頭はともに、前走で東京2400mのレースを使っていました。ともに前走は外を回してじわじわ伸びてはいますが、インから鋭い脚で抜け出した馬には明らかにキレ味負けをしていました。

 キレ負けしながらも外からジリジリ伸びるのは、血統の裏づけがあれば、馬力勝負と持久力勝負には強い可能性を秘めています。キレ脚よりも馬力、スピードよりも持久力が要求される競馬になれば上積みが見込めることもわかります。

 つまり、今の小倉芝中距離は、東京の芝ではキレ負けするような、持久力や馬力に優れた血統馬を狙うパターンの期待値が高いわけです。

 そして、土曜日に続き、日曜日に行われた小倉芝2000mの高千穂特別もこれと同じルーティンで予想しました。

 本命はもちろん、キンセイポラリスです。前走は東京の芝2400mでキレ負けしていましたが、2走前には東京の芝2400mよりも馬力とスタミナが要求された小倉芝2600mを勝っています。

 レースは、予想通り、キンセイポラリスはもの凄い手ごたえで4コーナーを迎えます。そして大外をブン回し、直線に向かいます。

 しかし、内を上手く捌いた馬たちには適わず4着。勝ったのはコーナーを上手く捌いたスマートグリッドでした。キンセイポラリスと同じくタニノギムレット産駒です。

 なお、予想コラムには次のような文章も書きました。以下転載します。

「昨日本命のレディパレードや、先週のラガーアンバーと同じパターンで、騎手が上手く捌けば一発あるパターンの馬。ただし、毎回上手くいくほど甘くもない。」

…そんな予感は当たらなくてもいいのですが、理論やアプローチが期待値の高い方向性を向いているからといって、毎回馬券が当たるわけではないことが競馬の難しいところです。

 と、小倉の話はつきませんが、せっかくなので、桜花賞の話題にも触れます。

 JRAの芝はここ1、2年でさらに高速化しているのですが、去年の桜花賞は2年前までの桜花賞とは、違うステージの馬場パターンに変化したようです。

 阪神外回りコースになってから、桜花賞は4回行われたのですが、去年の勝ちタイムが1分33秒3。

 ダイワスカーレットが勝ちウオッカが2着だった07年でも1分33秒7。ですから、非常に速い時計での決着だったといえます。

 2着に逃げ粘ったオウケンサクラのタイムも1分33秒4。ダイワスカーレットよりも速い時計です。

 ダイワスカーレットが勝った07年の1000m通過が59秒8で去年が58秒9。道中1000mの通過タイムが1秒近く速いにもかかわらず、オウケンサクラがそのまま残ってしまうわけです。

 では、馬場が高速化したのだから、よりスピードが要求されるのでしょうか?

 血統傾向を見る限りはそうではないようです。逃げて2着のオウケンサクラ、直線2番手でそのまま粘った3着のエーシンリターンズはともに、スタミナ色の強い血統でした。

 オウケンサクラは父が凱旋門賞馬のバゴで母父はリアルシャダイ。菊花賞を勝つような血統です。

 3着エーシンリターンズも母父が凱旋門賞馬キャロルハウス。さらに4着のショウリュウムーンも母父は菊花賞に強いダンスインザダークでした。

 つまり昨年の桜花賞は、平均より速めのペースで流してスタミナ、持続力で粘りきる馬に有利なレースだったようです。

 今年も去年と同じ舞台設定と仮定するなら、欧州血統や、芝3000m以上のGIに強い血が強調された馬が有利になるのではないでしょうか。

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血統馬券予想理論『血統ビーム』の提唱者で、『ブラッドバイアス』『大系統』『小系統』などの血統予想用語、概念の作者。血統ビームの革新性は20世紀末の競馬予想界に衝撃を与え、現在は競馬ファン、競馬評論家に多大な影響を与え続けている。また『競馬予想TV!』『競馬血統研究所』(ともにCS放送フジテレビONE)に出演するなど活躍中。Twitterはコチラ。
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