スマートフォン版へ

小倉芝2000mでの収穫

  • 2011年04月14日(木) 21時00分
 前週も、小倉の芝が主戦場となり、ホームページで公開している予想でも小倉芝2000mで行われるレースを最多の5レース選択しました。

 本命馬は5R中4Rで5着以内に入り、そのうち3頭が3着以内に入りました。

 本命に選んだ馬は、当日全て4番人気以下の人気薄でしたから、今の小倉の馬場で一変する馬をコンスタントに選べていたのではないかと思います。

 では、前週に予想した小倉芝2000mのレースを幾つか回顧しましょう。まずは4月9日、土曜日小倉10Rのネモフィラ賞

 このレースでは、5番人気で勝ったイデアを本命にしました。イデアの父は小倉芝で絶好調のグレイソヴリン系種牡馬ジャングルポケットです。

 イデアは前2走は、中央コースに出走。前走は外回り1800mを先行して7着。前々走の若駒Sも中央の2000mを先行して5着。

 中央コースでは後ろから行くと切れ負けするので、前に行くしかないのですが、今回は道中の流れも厳しく、上がりもかかるローカルコースということで、差しに回っても、35秒台の上がりで間に合ってしまいます。

 ジャングルポケット産駒は直線が持久力比べになる流れ、馬場を差すパターンが最も力を発揮できる馬が多いので、今の小倉の芝は絶好の狙い頃になるわけです。

 続いて、4月10日の小倉5レース。このレースでは4人気で3着だったシルクグラサージュを本命にしました。

 シルクグラサージュはネオユニヴァース産駒。ネオユニヴァースについては以前も当コラムで書いたように、ベスト条件は「芝適性も問われるダート」や「ダート適性が問われる芝」です。つまり、芝のレースであれば、タフな馬場、持久力が問われるレースを得意とする産駒が出やすいのです。

 シルクグラサージュも近走は中央の芝コースを走っていました。前走はメンバー中上がり2位の33秒9の脚を使い10着。前々走はメンバー中最速の34秒6の脚を使って6着。メンバー中で上位の末脚は使いながらも届かずというレースをしていました。

 近2走は、持久力を活かすことはできませんでしたが、今回は、中央コースよりもタフな馬場、流れになる小倉の芝2000m。道中も流れるので、積極的に乗っても折り合いがつけやすい点も上昇材料です。

 また、シルクグラサージュは競馬専門紙の全紙の印からは、6番人気以下になるはずですが、当日は4人気になっていました。

 しかし、このオッズの下がり方はローカルでは想定の範囲内です。シルクグラサージュのようなパターンの馬は、2回に1回は掲示板に入り、3回に1回は3着以内には入ると予測していますので、複勝オッズが3.5倍以上つけば、馬券的な期待値は十分だと判断しました。(このように予想法を公開しておいてオッズが〜というのも間抜けな話ですが、ボクらとはまったく異なる手法で馬券勝負を挑んでくるプレイヤーがもっと出てくることを期待しています)

 アプローチは悪くないと思ったのですが、結果が出なかったのは4月10日の小倉8レースです。

 まずこのレースでは対抗が真っ先に決まりました。リッカメルドは、まず2回に1回は馬券になります。しかし、馬券を買う人なら誰でもわかることですから、当然人気になります(1人気)。よって、この馬の期待値は高くないと判断しましたが、馬券に絡む確率は最も高いので対抗にしました。

 本命はトキノヤマトボシトレノユーボウサクラボールドの三頭で悩みました。

 まず真っ先に目が行くのがトキノヤマトボシです。

 前走は小倉の芝2600mに出走。血統的にもローレルゲレイロの弟ですから、前走から距離が短くなるのはプラスです。

 また、この馬は芝2000mに出走している馬の中では持久力に勝るタイプですから、上がりがかかって差せる馬場の方は理想的です。

 とはいえ、必ず馬券になるとは限りません。3着以内に走れるのは3回に1回程度と見立てました。あとはオッズと相談です。

 新聞の印からは7番人気以下になるのが妥当ですが、今、ローカルに参加しているプレイヤーの投票動向からは、このパターンの馬は当日の複勝オッズが2倍代になることも予想されます。よって、本命にするには期待値が見合わないと判断しました。予想通りトキノヤマトボシは当日1人気になる時間帯もあり、複勝オッズも2倍代でした。

 であれば、確実に実力は上位で、同じぐらいの配当も期待できるトレノユーボウの方が良いと判断しました。

 この馬も父がネオユニヴァースなどと同じくダート指向の強いサンデー系であるマーベラスサンデー。

 あとは、強引な競馬をしなければ3着以内の可能性は高いと考えたのですが…レースでは十分に実力を見せてくれましたが、必ずしも馬券になってくれないのが競馬の厳しいところです。

 結果的には、正解はサクラボールドだったようです。同馬の父オペラハウスの産駒は「馬力(パワー)が要求される芝は得意だが、ダートは苦手」という特徴を持ちます。

 サクラボールドは地方のダートから中央に戻ってきた馬ですが、得意条件の今回は地方在籍時よりも大幅にパフォーマンスを上げることは予想できます。とはいえ、いきなりの2000mに対応できるかという不安がありましたので、本命にはできませんでした。今回だけに関しては、その不安は間違いでした。

 最後は、日曜小倉11Rに行われた博多S。本命は5人気で3着に走ったトレイルブレイザーにしました。同馬の父、ゼンノロブロイは母系がダート色が強い影響もあり、特に牡馬はダート色の強い産駒を出しやすい特徴があります。

 母父もフォーティナイナーでミスプロが強調されますから、芝ではダート寄りの馬場になるほどパフォーマンスを上げるタイプです。

 よって、前走のように中央コースで後ろから行くとキレ負けして届きません。しかし、前走の騎乗は同馬にとっては非常に良いキッカケとなりました。前走後ろからしっかり追ってくれたおかげで、今回の競馬に向けて良いリズムが生まれたからです。

 なお、私事ですが、このレースでは2つの収穫がありました。ひとつは、馬券が当たったことですが、もうひとつは博多Sの投票に熱中しすぎて桜花賞の馬券を買い忘れたことです。

 さて、いよいよ、特殊馬場の小倉芝も今週が最終週です。さすがに馬場も磨耗してきており、先週は今まで以上に差しが決まる馬場になってきました。

 基本的にはスタミナに優れた血統、重い馬場やダートを得意としている血統馬が、芝のレースで今までにない末脚を見せるパターンを狙うべき馬場だと想定しております。(ローラーで馬場を整備する、騎手がタフな馬場を意識し過ぎてペースを落とすなどの不確定要素もありますが)

重賞アプローチ2011年度版
馬券的中のヒントが満載!「重賞アプローチ2011年度版」絶賛発売中!

 重賞予想はこれ一冊で問題なし! 過去のデータを徹底的に分析することで、そのレースで好走する穴馬を浮き彫りにする「重賞アプローチ」の2011年度版がついに発売!

 2011年に行われる全平地重賞123レースの馬券のポイントを完全掲載。主要血統、位置取り、枠順などの分析データも充実。穴を開けそうな人気薄の馬を狙うことで的中率とともに回収率アップを目指そう!!

>>こちらからご購入できます



馬券データ竜宮城
待望の新刊「馬券データ竜宮城」が絶賛発売中!

 人気エッセイスト藤代三郎と「血統ビーム」亀谷敬正〜世代を超えた夢のコラボが実現!

「カメちゃん、ボク恥ずかしいくらい当たらないんだ」とボヤく藤代に、亀谷が玉手箱の中から秘蔵のデータを次々に献上。果たして、これで藤代の「全治ウンか月」の馬券の傷は癒えるのか。袋とじ「JRAコース別優秀血統」など、オジサンでも即使えるカメ・データが満載!

「せめて馬連が始まったときに、この方法を知っていれば・・」と、競馬歴37年の藤代、64歳にしてついにデータ馬券術に開眼!? 黄金タッグが、秋の競馬シーズンに贈る、異色の「馬券力強化読本」だ!

>>こちらからご購入できます


競馬総合チャンネルでは、毎週金曜20時に亀谷敬正氏が週末の重賞を展望する「血統ビーム的見解」を掲載中!さらに血統カラーリング機能を全レースに対応させた「血統ビーム新聞」も大好評公開中!

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

血統馬券予想理論『血統ビーム』の提唱者で、『ブラッドバイアス』『大系統』『小系統』などの血統予想用語、概念の作者。血統ビームの革新性は20世紀末の競馬予想界に衝撃を与え、現在は競馬ファン、競馬評論家に多大な影響を与え続けている。また『競馬予想TV!』『競馬血統研究所』(ともにCS放送フジテレビONE)に出演するなど活躍中。Twitterはコチラ。
ウマい馬券にて『血統ビーム』の予想提供中

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング