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池江泰寿調教師「即答!10の質問」

  • 2011年04月25日(月) 12時00分
◆池江泰寿
1969年1月13日生まれ、滋賀県出身。父である池江泰郎元調教師の元で調教助手を務め、ステイゴールドやトゥザヴィクトリーなどを手掛けた。04年に栗東で開業。06年にドリームジャーニーで朝日杯FSを勝利し、重賞初勝利をGI勝利で飾った。09年には同馬で宝塚記念、有馬記念のグランプリ連覇。06年08年10年JRA賞受賞。




◆「即答!10の質問」
皆様の質問にお答え!

Q1.池江厩舎、今年既に重賞3勝(4/25現在4勝)と絶好調! 厩舎の雰囲気も盛り上がっていますか!?

 毎週毎週注目される馬をやらせてもらっていて、やっぱりやりがいがあります。スタッフもそういう思いで、一生懸命がんばってくれていますね。

Q2.池江泰郎先生の引退はさみしいです。泰寿先生から見て、泰郎先生の「最高傑作」と言ったらどの馬になりますか?

 それはもう、あまり面白くない答えになってしまいますが(笑)、ご想像通り「ディープインパクト」でしょうね。

 父は、僕が子供の頃からずっと「ダービーを勝ちたい、ダービーを勝ちたい」と、口癖のように言っていたんです。その夢を叶えてくれた馬ですからね。


Q3.馬が厩舎から厩舎を引っ越しする時、どうやっているのですか?

 3月1日に父の厩舎から来た馬は、トゥザグローリーとダノンバラードの2頭で、フォゲッタブルやバーディバーディは、いったん放牧に出てから来たんです。

 そのトゥザグローリーとダノンバラードですが、朝の運動前にうちのスタッフが父の厩舎まで行って、うちの厩舎の馬と合流して、いったんうちの厩舎の運動場まで来て、そこから一緒に調教場へ向かいました。それで、調教が終わったらうちの厩舎に戻ってきたという感じです。

 初めは少し戸惑いもあったみたいですが、すぐに慣れました。馬は牧場や競馬場を移動していますし、人間のように環境がまるっきり変わって、というストレスはないんです。同じトレセン内ですし、言ってみれば、小学校や中学校のクラス替え程度ですね。

Q4.いつも一生懸命走るドリームジャーニーが好きです。これからの展望をお聞かせください。

 去年はケガに泣かされたり、GIIでも59kgを背負っていつもの脚が引き出せなくて、未勝利になってしまったんですけどね。

 今年初戦の大阪杯は、すごく状態は良かったんですよ。ただ、不運というか、ゲートを出て両隣の馬が寄って来て、バランスを崩した時に、古傷が再発してしまったんです。

 でも、去年悩まされたほどの重傷ではないので、しっかり治していけば宝塚記念には間に合うと思いますし、何とか有馬記念にも良い状態で出してあげたいなと思っています。

Q5.ドリームジャーニー、オルフェーヴル兄弟のファンです。似ているところと似ていないところを教えてください。

 全兄弟ですけど、見た目は全然違いますよね。オルフェーヴルの方が少し背も高いですし、毛色もジャーニーは鹿毛で、オルフェーヴルは栗毛という表記ですが、正式には尾花栗毛と言って、金髪なんです。

 走り方も、ジャーニーはピッチ走法で、オルフェーヴルはストライドののびやかな走りです。ヤンチャなところとか、切れ味がある脚質は似ていますね。

Q6.春の天皇賞のような長距離は、トゥザグローリーのように大きな馬に有利ですか?

 一概には言えないですね。ステイヤーと言われる馬には少し小ぶりの馬も多いですし、逆にメジロマックイーンやデルタブルースのような雄大な馬体の馬もいます。

 ただ、トゥザグローリーに関しては、ステイヤーとは決めつけていないです。芝の中距離馬とも決めつけていません。あの馬、ダートが一番走ると思います。※真相は明日から公開のインタビューにて!

Q7.阪神大賞典でのトーセンジョーダンの進上金を被災地へ寄付するとの池江先生の発表に感動しました。回避は残念でしたが、ますますこの馬を応援したくなりました。今後の予定を教えてください。

 右腕の筋肉を損傷して、残念ながら出走は叶わなかったんですけれどもね。大事には至らなかったですし、筋肉痛さえ治れば競馬に出てこられます。春は宝塚記念を目標に、その前に1回使えるかどうかですね。

Q8.阪神大賞典の進上金を義援金にという池江先生の思い…素晴らしいと思いました。どんな思いで決意されたのでしょうか?

 トーセンのオーナーが仙台で被災されたのもあり、競馬をすることで何とか支援ができればと。

 迷ったんです。そういうことは、レース後にこっそりするべきなのかって。でも、このような状況で競馬をさせていただくので、その前にきちんとしたいという思いになりました。

 ジョーダンの話が独り歩きしてしまったんですが、その週は他の馬の分も全て、僕の利益は被災地に送ろうということにしたんです。利益をいただく気持ちには、どうしてもなれなかったんですよね。それで日本赤十字社を通して義援金とさせていただきました。

Q9.仕上げる面からして一番難しいと思うGIは何ですか?

 う〜ん、僕は桜花賞だと思いますね。歯変わりやフケも出る難しい時に、本番を迎えなければいけませんし、しっかり賞金も加算していかないと出られません。

 父も桜花賞は勝てませんでしたし、僕も調教助手の時からすごく苦手意識がありましたね。桜花賞というのは本当に難しいなと思います。個人的な感覚ですけれども、でもやっぱり、桜花賞を勝つ厩舎は一流厩舎が多いですよね。

Q10.先生を癒してくれるものは何ですか?

 子供です。男の子なので大変ですけど、やっぱりかわいいですよね。昨日も、夜遅く北海道から帰って来たんですが、まだ起きていてくれて。疲れが一気に吹っ飛びました。

東奈緒美 1983年1月2日生まれ、三重県出身。タレントとして関西圏を中心にテレビやCMで活躍中。グリーンチャンネル「トレセンリポート」のレギュラーリポーターを務めたことで、競馬に興味を抱き、また多くの競馬関係者との交流を深めている。

赤見千尋 1978年2月2日生まれ、群馬県出身。98年10月に公営高崎競馬の騎手としてデビュー。以来、高崎競馬廃止の05年1月まで騎乗を続けた。通算成績は2033戦91勝。引退後は、グリーンチャンネル「トレセンTIME」の美浦リポーターを担当したほか、KBS京都「競馬展望プラス」MC、秋田書店「プレイコミック」で連載した「優駿の門・ASUMI」の原作を手掛けるなど幅広く活躍。

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