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ガラッと垢抜けたマルセリーナ

  • 2011年05月19日(木) 18時00分
 人の評価や印象に"見た目"が大きく左右するのは言うまでもありません。どんなにいい言葉を口にしても、ファッションが野暮ったいとそれだけで評価を下げる人もいますし、またその逆もしかり。馬の見た目で重要なのはスタイルはもちろんですが"毛"かな? と思います。

 毛が伸びていると、どんなに馬格やバランスがよくても評価を下げがちですよね。体調の善し悪しのバロメータにもなるので仕方ないところではありますが、実際は個体差があって冬毛ボーボーでも走る馬もいれば、真冬に毛が薄くツヤツヤしていても走らない馬もいます。一般的には暖かくなっても冬毛が生えつづけている馬は新陳代謝が悪い、なんて言いますけど実際トレセンで冬毛と成績の相関性を見ているとそうは言い切れないように感じます。

 マルセリーナの場合、まだ冬毛が残っていたのに桜花賞を快勝するのですから、冬毛が残っていても問題ないのでしょう。そういえば、マルをレポートするたびに"冬毛が抜けてきた"と書いていますね…ですが、また書きます。"この中間、マルセリーナの冬毛が抜けてきました。"

マルセリーナ


 クビのあたりにうっすら銭型紋が浮いていて、すごく皮膚が薄いんです。いままで冬毛ボーボーでわからなかっただけなんですね。ようやく厚ぼったい毛皮を脱ぎ、その下は水着だった、みたいな印象。あぁ、マルセリーナってこんなに垢抜けた馬だったんだ! と正直ビックリしました。ツヤッツヤですよ。皆さんもオークスのパドックでマルセリーナの皮膚の薄さを確認してくださいね。

 顔は残念ながらところどころハゲていますが…これは気にしないで。実は、マルセリーナは毎日オガクズに顔を突っ込んで寝るクセがあるんです。オガクズは常に取り替えていますが、マルセリーナの場合、調教が終わったらすぐにゴロンと横になるのでタイミング的に自分のボロが混じっていたりします。そんなところに顔突っ込んだら…皮膚病になるのも仕方ないのでしょう。せっかく可愛い顔をしているのにもったいない(苦笑)。

マルセリーナ(2)


 さて、マルセリーナの状態ですが目下絶好調。先週、ブエナビスタよりキビキビと走っていたのが印象的でしたが、今週もキッチリ調教を消化しています。もともと長めの調教をする厩舎なので、距離延長も問題ないでしょう。競馬前の長距離輸送や東京出張は初めてですが、いつも隣にいるキャプテンべガ(土曜のメイS)も一緒に行くので1頭にならない分だけ安心できるはずです。

 他にオークス出走馬で気になるのはハブルバブル。「桜花賞は7週間で4回も競馬という厳しいローテーション。なのに、体力もさほど落ちずにレースでは上手に走ってくれました。ゲート入りをやや嫌ったり、直線でまぎれがあったのは"競馬"ですから仕方がないでしょう」と池江師。桜花賞後はさすがに疲れが出たそうですが、もう問題ないとのことでした。

「今週の調教の動きは馬場が悪いことを考えればまずまずでしょう。長距離輸送や距離、左回りなど初めてのことが多いですが、すごく精神的に強いコなので克服できるんじゃないか、と思います。少なくとも、そんなにマイナス(材料)にはならないと思います」

ハブルバブル


 中5週で走るのは初めてというハブルバブル。未知の魅力に惹かれます。

 メデタシは桜花賞では目一杯に仕上げられての4着でしたが、今回は真逆で控えた追い切りになりました。そのあたりは音無師の計算とのこと。「長距離輸送、左回り、2400mと初物尽くしなので控えめの追い切りになりました。思っていたより時計ひとつ遅くなりましたが、馬場も渋っていたので問題ありません」と音無師。前回、調教の動きと競馬が直結した結果だっただけに、仕上げ方が正反対の今回は評価が難しいところです。

メデタシ


 そして、来週はダービー。サダムパテックの巻き返しが気になります。皐月賞の結果に西園師は納得していない様子ですが「レース後、(主戦の)岩田が謝ってきた。今度こそ不利なく力を出しきる競馬をしたい」と力強く話していました。相変わらずひじょうに大人しく賢い馬で、無駄なところでテンションをあげることがまったくない様子です。来週はダービーウィークということで、トレセンも独特の高揚した雰囲気に包まれるでしょう。でも、サダムパテックならそれに呑まれることなく、過ごせるはずです。

サダムパテック

デジタルレシピ研究家。パソコン教師→競馬評論家に転身→IT業界にも復帰。競馬予想は卒業したが、現在も栗東トレセンでニュースやコラム中心の取材を続けている。“ねぇさん”と呼ばれる世話焼きが高じ、AFPを取得しお金の相談も受ける毎日。公式ブログ「ねぇブロ」(http://ameblo.jp/takako-hanaoka/)

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