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西園勢で一番の狙い目はエーシンフォワード

  • 2011年06月02日(木) 18時00分
 梅雨、というか季節はずれの台風がやってきたりと、ひじょうに荒れた天気が続いていますね。ダービー出走馬はさぞ疲れたのでは? と様子をうかがったところ…やはり、想像どおり、いや想像以上に厳しい現場だったことがわかりました。

「東京競馬場へ到着してから、レースを走り、帰るまでずっと雨が降りしきっていた。馬場はかなり雨を含んでいたし、競馬で力を出し切ったからかなりこたえていたようだよ」と、サダムパテックを担当する塩満助手が話していました。

 心配なのは不良馬場のダービーが、心身ともに想像以上にこたえるということ。2009年、ロジユニヴァースが勝った年のダービー出走馬の多くがその後、故障などでリタイヤしています。今年の出走各馬がそのようにならないことを願います。

 さて、今週の安田記念は西園厩舎の3頭出しですね。西園厩舎の出走各馬たちはいずれも6月1日、坂路で追い切っています。午前5時58分、開門と同時に元気よく坂を駆け上がったのは小牧騎手を乗せたシルポート。時計は52.0-38.1-25.5-13.3秒。かなり雨が降っていた中で、ラスト1ハロンしっかり追われると力強くこたえていましたね。

 この馬場で全体が52秒0というのは優秀。小牧騎手は「体調に変動のないタイプだと思います。今日の追い切りにしても変わりありません。それがこの馬にとって一番だと思います」と話していました。

シルポート


 続いて岩田騎手が跨ったエーシンフォワードが登場。こちらも終い重点の内容。時計は53.2-38.8-25.0-12.3秒と、ラスト1ハロンが光ります。

 そして調教後半の8時40分ごろ、コスモセンサーが53.5-38.2-25.2-12.8秒の時計を出しています。

 では、この3頭を西園師はどのように分析しているのでしょう? まずはシルポートから。

「自分の形に持ち込んだ時は強い。京王杯SCも自分のペースで行って、ゴール寸前まで粘ってくれました。あと一完歩でしたね。今回もいつものように逃げて自分の競馬をやり切ってもらいたいですね」

 つまり、今回もどれだけ気分良く逃げられるかが鍵になりそうです。休みなく使い続けていますが、シルポートはやはり連戦したほうがいいようです。

「京王杯のあと安田記念を目標に調整を続けてきました。使えば使うほど調子が上がってくるタイプです。今日の追い切りも前半からある程度行っていい時計が出ました。理想的な仕上がりですね。動きそのものも軽やかでいい内容でした」

 そして、コスモセンサー。最近はすっかり差しの競馬が定着してきました。

「前走の京王杯SCは"あわや!"という内容でしたね。レース後、(騎乗していた)松岡騎手が『ゴール前よれなければ2着もありましたね』と言っていました。ニューイヤーSで勝った時のような、差しの競馬が板についてきたようです。マイルは1ハロン長いかな? という気もするけれど、年齢を重ねた分の精神的な成長でこなしてくれればいいですね」

コスモセンサー


 今回、常識的には"走りごろ"なのは今回が叩き3戦目になるエーシンフォワード。追い切りでラスト1ハロン12秒3というタイムを叩き出したのは印象的でした。

「今日の追い切りはラスト1Fをしっかり伸ばす指示。この渋った馬場を考えるといい内容の動きでしたね」

 京王杯は59キロを背負っていたこと、今回が叩き3戦目であることなど、明らかに前走より有利な点が多いように見受けられます。今回こそが走りごろだけに、ぜひとも"内枠"がほしいそうです。

「今回は内枠がほしいです。とにかくここ数戦は外枠ばかりですから…。外枠では前半戦で脚を使ってしまいます。でも、内枠からスタートして、好位で我慢できれば互角にやれるはずですよ」

エーシンフォワード

デジタルレシピ研究家。パソコン教師→競馬評論家に転身→IT業界にも復帰。競馬予想は卒業したが、現在も栗東トレセンでニュースやコラム中心の取材を続けている。“ねぇさん”と呼ばれる世話焼きが高じ、AFPを取得しお金の相談も受ける毎日。公式ブログ「ねぇブロ」(http://ameblo.jp/takako-hanaoka/)

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