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高田建吾持ち乗り助手インタビュー後編

  • 2011年06月23日(木) 12時00分
ルーラーシップ、ヴィクトワールピサを筆頭に、期待馬の宝庫である角居勝彦厩舎。昨年は47勝と、厩舎の過去最多勝利数を挙げました。そんな輝かしい成績も、角居調教師の目にはまだまだ!?

◆角居勝彦厩舎の野望

:ルーラーシップの宝塚記念はとても楽しみなのですが、宝塚記念が終わった後は海外にという話ももう出ていたりするんですか?

高田 :それは、宝塚記念の結果次第じゃないですかね。勝てたらもしかしたら行くかもしれないですし、その辺はまだ分かりませんね。

:高田さんとしては行って欲しいですか?

高田 :行って欲しいのもありますけど、凱旋門賞はヴィクトワールピサが予定しています。自厩舎同士で走るとなると、ちょっと…。勝つのは1頭だけですから。

:そうですよね。どっちを応援していいか分からなくなっちゃいますね。

高田 :やっぱりどちらにも勝ってもらいたいので、行くなら違うレースに行ってもらいたいですね。

:厩舎に同世代のヴィクトワールピサがいるということで、やっぱり2頭はライバルだと思いますが、調教で一緒になることはあるんですか?

高田 :追い切りはあまり一緒には行かないですかね。でも、うちの厩舎は部班で運動しているので、その時には一緒に歩いたりすることはあります。やっぱりライバルという目で見ていると思いますね。

:期待馬が多いというのは、厩舎の順調度の表れでもあると思うのですが、去年の角居厩舎は過去最高の47勝。そして、春にはドバイワールドCを勝利するという快挙も達成され、厩舎としてますます盛り上がっていますか?

高田 :そうですね。でもやっぱり47勝では、調教師の目標よりまだまだ下なので。調教師は全然満足していないでしょうし、納得もしてないと思います。去年に関しては「50勝はいきたかったな」とおっしゃっていました。

:じゃあスタッフさんにも「もっともっと」と?

高田 :あまりそういう風には言わないですね。どちらかというと、無言のプレッシャーです。そういうオーラがあるので、僕らスタッフはそれを感じ取ってがんばっています。

:今年の目標というのは掲げているんですか?

高田 :目標は毎年掲げていまして、今年は「何回出走して何勝」という目標に。数字としては「400走の60勝」という目標なんですが。

:400走の60勝ですか!? それは高い目標ですね。「このGIを獲る」とかではないんですね。それは角居厩舎ならではの目標ですよね。

高田 :そうですね。60勝と言ったら、ひと月5勝計算ですからね。でも、目標は高く設定しないと。低い目標で、それで達成して満足ではだめだと思うんですね。あえてギリギリ届くか届かないかという目標を掲げて、スタッフがそこに行こうとする気持ちを作っているんだと思います。

:厩舎の士気を高めるために、高い目標を立てているんですね。それにしてもすごいですね、60勝というのは。

高田 :ええ。かといって、60勝できたら満足かと言ったら、それはそれで満足はされないと思いますけどね。

:そうですか。先生が見ているところは常に上なんですね。高田さんは、トレセンに入られてからずっと角居勝彦厩舎の所属ですよね。高田潤騎手のお兄さんですが、競馬の仕事に就いたきっかけというのは? もともと競馬にゆかりがあったんですか?

高田 :いや、全然ないです。潤が競馬学校の騎手課程に受かったのが大きかったですね。弟の方が先に競馬に興味を持って、競馬をちょくちょく見るようになって、それで一緒に見るようになったり、競馬のゲームなんかも一緒にするようになって。

:はい。

高田 :その矢先に弟が競馬学校に合格したので、僕も競馬の世界を見てみようかなって、そこから興味を持ち出したんです。それで高校を卒業してから牧場に行って、トレセンに入りました。

:兄弟で競馬の話をされることも?

高田 :いや、競馬の話はあまりしないですね。やっぱりジョッキーと厩務員では目線が違いますからね。「こういう時ってジョッキーとしてはどんな気分なの?」とか、そういうことを聞いたりはしますけど、競馬の話としてはしないですね。

:お互いのレースを見たりはしますか?

高田 :見られる時間だったら見ますし、見られなくても結果は毎週は見ています。でも、向こうは見てないと思いますよ(笑)。

:そうなんですか!? 勝った時には「おめでとう」とかも?

高田 :弟から「おめでとう」っていうことは…ないですね(笑)。

:ないんですか!? 男同士はそんなものですね(笑)。さて、厩舎としての目標は400走60勝ということですが、高田さんご自身としての目標は何ですか?

高田 :僕自身の目標は、まだ中山と福島で勝ったことがないので、そこで勝ちたいです。あと僕の勝ち星がダートに偏っているんです。

:カネヒキリを担当されていたというのも大きいですかね。

高田 :そうですね。それだけでダートのイメージもあるとは思うんですが。なので、もう少し芝でも勝ちたいなと思います。

東奈緒美 1983年1月2日生まれ、三重県出身。タレントとして関西圏を中心にテレビやCMで活躍中。グリーンチャンネル「トレセンリポート」のレギュラーリポーターを務めたことで、競馬に興味を抱き、また多くの競馬関係者との交流を深めている。

赤見千尋 1978年2月2日生まれ、群馬県出身。98年10月に公営高崎競馬の騎手としてデビュー。以来、高崎競馬廃止の05年1月まで騎乗を続けた。通算成績は2033戦91勝。引退後は、グリーンチャンネル「トレセンTIME」の美浦リポーターを担当したほか、KBS京都「競馬展望プラス」MC、秋田書店「プレイコミック」で連載した「優駿の門・ASUMI」の原作を手掛けるなど幅広く活躍。

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