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エクリプスSに豪華メンバーが集結

  • 2011年06月29日(水) 12時00分
 今週土曜日(7月2日)にサンダウン競馬場で行われるG1エクリプスS(10F7Y)が、大きな話題を集めている。

 もともと、ワークフォース(牡4、父キングズベスト)とソーユーシンク(牡5、父ハイチャパラル)の対決が注目を集めていたところへ、昨年の欧州3歳牝馬女王スノウフェアリー(牝4、父インティカブ)が急遽加わる公算が強まっているのだ。

 3歳時の昨年、G1英ダービーとG1凱旋門賞を制し、欧州3歳牡馬チャンピオンとなったワークフォース。5月26日にサンダウンで行なわれたG3ブリガディアジェラードS(サンダウン、10F7Y)に出走し、弱敵相手ではあったがきっちりと1馬身差で勝って、今季初戦を白星で飾っている。

 その後はロイヤルアスコットのG1プリンスオヴウェールズS(10F、6月15日)に向かうものと見られていたが、昨年のG1キングジョージにおける不可解な大敗が陣営にとってトラウマになっているようで、アスコット競馬場を忌み嫌らって回避。ここまで待って、満を持しての出走となる。

 ワークフォースが回避したG1プリンスオヴウェールズSに登場し、評価を落とすことになったのがソーユーシンクだ。勝ったリワルディング(牡4、父タイガーヒル)に首差の2着だから、悪い競馬ではなかったのだが、今年のロイヤル開催最大のスターと持て囃され、単勝1.36倍という圧倒的人気を背負っていただけに、かなり格好悪い敗戦だった。

 連覇を果たしたコックスプレートを含めて5つのG1を制し、豪州中距離路線における近年の最強馬との触れ込みで欧州に移籍してきた同馬。欧州初戦となった5月2日のG3ムーアスブリッジS(カラ、10F)を10馬身差で圧勝した後、5月22日のG1タタソールズGC(カラ、10F110Y)も4.1/2馬身差で制したこの馬を、百戦錬磨のエイダン・オブライエン調教師が「この馬ほど強烈なオーラを放つ馬を、私は見たことがない」と思い切り持ち上げたものだから、スーパーホース出現かと関係者もファンも浮足立ったのだ。

 レース後にオブライエン師は「移籍後の2戦があまりにも楽勝だったことで、調教もこの程度で良いのだろうと高を括ったところがあった。攻め馬が足りなかったことは明らかで、完全に調教師である私のミス」と、公の場で自らの非を認めた。

 だが、果たしてそうか?! 北半球では5歳と表記されている同馬だが、ニュージーランド産馬のソーユーシンクにとって、実は今が4歳シーズンの末期だ。4歳前半を過ごした豪州では、連闘で使われたすぐ後に中2日で走ったりと、相当にきついローテーションで走っている。その後に移籍して環境が変わり、ここが4歳シーズン10戦目になるのだ。返し馬からレース前半と、しきりに掛かる仕草を見せた前走を見ると、ひょっとすると、疲労から馬が苦しくなってきているのではないかとの懸念もなくはない。天才と言われるオブライエン師がどう立て直して来るか、見ものと言えそうだ。

 昨年秋に日本と香港で見せたスノウフェアリーの強さは、今もファンの間で語り草になっている。当初、今季のスタートはドバイからと言われていたが、右前脚に軽い不安が出て回避。その後ニューマーケットの自厩舎に戻り、調整を積まれてきた。ようやく態勢が整い、6月25日にカラで行なわれたG1プリティーポリーSに出走すべく、エントリーが行われた。ところが、折からの荒天で馬場がYielding to Soft にまで悪化。日本のファンもよくご存じのように、ナタの切れ味が武器の彼女に、シーズン初戦からいきなり道悪では酷ということで、レース前日に出走を取り消すことになった。

 その後の仕切り直しの一戦となるのが、エクリプスSなのだ。7か月振りの出走というのは大きなハンデだが、果たしてどんなレースを見せてくれるものか、おおいに楽しみである。

 エクリプスSのスポンサーであるコーラルの前売り(6月28日現在)では、ソーユーシンクが2倍の1番人気で、ワークフォースが2.625倍。スノウフェアリーが7.5倍となっている。

 いずれにしても、今季の欧州中距離戦線が今後どう動くか、その指針を示すレースとなりそうだ。

▼ 合田直弘氏の最新情報は、合田直弘Official Blog『International Racegoers' Club』でも展開中です。是非、ご覧ください。

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1959年(昭和34年)東京に生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の製作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬に学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。

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