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阪神牝馬S

  • 2002年12月16日(月) 12時32分
 断然人気のダイヤモンドビコーは藤沢和厩舎。リーディングトレーナー争いを西の山内厩舎と展開させていることもあり、負けられない立場だった。こういう状況に置かれるとレース運びは苦しいものだが、乗っていたのはペリエ騎手。あまりリーディングトレーナー争いなど、強く意識していないのがなによりの強みだったかもしれない。

 大事に好位でタメるかと思えたが、少し行きたがる素振りを見せると、3コーナー手前から早めに先頭に立った。前半の半マイル通過が46秒4。1000m通過58秒1。G1級の能力を持つダイヤモンドビコーには理想の平均ペースだった。

 それでも後半の800mを46秒8。上がり3ハロンを35.1−11.8秒でまとめたのは立派というしかない。前後半のバランスのとれたラップで1分33秒2。この中身はG1マイルCS級の価値があり、着差以上の文句なしの完勝だった。

 2番人気ローズバドは、今回は早めに動いたが、自力で勝ちに出ると切れ味がなし崩しになってしまう。だからまだ2勝馬なわけで、これは仕方がない。もしチャンスがあるとしたら、乱ペースでレースがこわれ、なおかつローズバド自身は後方で無欲でタメているしかない場合だが、そういうチャンスはまずこの先もないかもしれない。

 3歳オースミコスモの2着はローズバドに競り勝ってのものだけに価値がある。G1向きの底力は疑問だが、こういうレースで気楽に乗れるとマイラーの資質が生きてくる。

 ミツワトップレディは地力一歩もあるが、完調にも一息だった。エアトゥーレは外枠のため、かかり気味に気分良く行きすぎた形だった。トーワトレジャーは平均ペース型で、記録通り1800〜2000m向きだろう。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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