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勝つ気で臨んだリディルでのマイルCS

  • 2011年12月06日(火) 18時00分
大きな期待を持って挑んだマイルCSは、残念ながら14着。今回は、その道中の心境や、自身の反省点、そして、リディルの今後の可能性について、ありのままの気持ちを語ってくれました。

■掛かったことがすべて…筋肉痛になったわ

──11月3週目の土日メインは、どちらも残念な結果に終わりました(東京スポーツ杯2歳S13着、マイルCS14着)。

小牧 競馬はホントに難しいね。まずはファンの方に謝りたいです。土曜日(クラレント)は放馬してね…。日曜日(リディル)は、とにかく引っ掛かりました。外枠っていうのもあったけど、見た目以上に引っ掛かって。もう、そのあと筋肉痛ですわ。腕がパンパン。それくらい引っ掛かった。

──マイルCS一戦で、筋肉痛になったということですか?

小牧 うん。あのレースだけで。よっぽど引っ張ったんやね。

──今回は、そのマイルCSについていろいろとお聞きしたいんですが、レース前の雰囲気はいかがでしたか?

小牧 馬はすっごく良かったです。前回(スワンS)は、もうイレ込んでイレ込んで、ゲート裏でも、すぐに引っ張ってもらうくらいだったんですけど、今回はすごく落ち着いていて、雰囲気はホントに良かった。

──では、小牧さんとしても、かなりの手応えを持って挑まれたんですね。

小牧 勝てると思ってました。でもまぁ、あまり力まずに、いつも通りに乗っていこうかな、とは思ってたんですけどね。ゲートがね、いくぶんいつもより出遅れ気味になって。それでも、最初の1ハロンはどうにかうまく乗れたんですけど、その1ハロンを過ぎてから最初のコーナーまでが、もうグーン!って持っていかれて。やっぱり、それだけデキも良かったんでしょうね。そこで掛かったのが、最後の直線で影響しましたね。

──掛かったシーンはありましたが、直線に向くまでは手応えも良さそうに見えました。小牧さんご自身は、直線はどんな心境でしたか?

小牧 最後の直線以前に、掛かった時点で「あぁ…」と思いました。4コーナーでも、一見、余裕があるように見えたかもしれないけど、手応えはかなりあやしかったです。

──これまでにも、同じようなことはあったんですか?

小牧 その前のスワンSでもけっこう掛かり気味で。ジョーカプチーノを突くくらいの勢いで行っていたので、やっぱり折り合いは心配でしたね。

──当日は稍重でしたが、馬場の影響はありましたか? 

小牧 まぁ、稍重は苦にしないけど、やっぱり良馬場のほうがいいよね。あとは、終わってみれば、内枠のほうが良かったね。もともと馬場は悪かったけど、風の影響で内が乾きだして、メインのころは内のほうが残る馬場になりましたもんね。

当日の馬場は稍重だったが…

──枠順が発表されたときは、『よっしゃ!』っておっしゃってましたよね。

小牧 そうそう。外枠から気持ちよく走らせたいな、と。スピードが違うと思っていたので、2、3番手くらいで折り合いだけ気を付けて…ってイメージしてたんだけどね。

──小牧さんご自身の反省点というと?

小牧 外枠だったっていうのもあるけど、掛かったのがすべてですからね。ホントにもう、そこだけですわ。だから、僕自身の反省点も、掛からせてしまったことに尽きる。思い描いていたスタートができなかった時点で、我慢させずに行かせてしまってもよかったのかなと思います。遅れたことで、番手は気にせずにいこうって思ってしまったのが、いけなかったのかなと今は思いますね。

──でも、敗因がはっきりしているぶん、今後につながるのではないですか?

小牧 なにせね、馬が短距離馬になってきているような気がします。前走で1400mを使ったことも、多少は影響してるやろうね。

──橋口先生とは、レース後にどんなお話をされましたか?

小牧 同じことをおっしゃってました。先生も『1400mを使ったのがあれだったかな…』と。

──能力があるのは間違いないですからね。では、今後のリディルの可能性は?

小牧 ちょっと短いところのほうがいいかもしれない。前回から思ってましたけど、1200mでも十分やれると思いますし。それぐらいのスピードがある馬です。高松宮記念あたり、行けたらいいなと思いますね。

──1200mは確か、未経験ですよね?

小牧 そうですね。でも今はむしろ、1200mのほうがスピードを生かせるんじゃないかと思います。

──それはそれで、新たな楽しみがありますね。ちなみに、マイルCSの夜はどんなふうに過ごされたんですか? 落胆もあったと思うのですが。

小牧 いや、終わってしまったことは仕方がないんでね。実はその夜、上村クンとご飯を食べに行く約束をしていて。僕は京都で、彼は新潟だったんですけど、ふたりともメインを勝てるチャンスのある馬に乗っていたので、男ふたりでお祝いしようと思ってね(笑)。豊中にすごく河豚がおいしいお店があって、そのお店で待ち合わせをしてたんです。でも、僕は負け組で、彼は勝ち組(福島記念をアドマイヤコスモスで勝利)で(笑)。その夜は、上村クンにごちそうしてもらいましたわ。

──そうでしたか。おふたりであらかじめ約束をして…というのは、ちょっと意外な気もします。よくおふたりでお食事されたりするんですか?

小牧 しょっちゅうはないよ。あったら気持ち悪いでしょ(笑)。でもまぁ、朝一緒に調教をしているときに、どこどこのなにがおいしいとか、よく話をするんでね。ふたりとも、とにかく“食べること”が好きなんやね。

【次回の太論は?】
東京スポーツ杯2歳Sでは、2番人気に支持されながら、返し馬でまさかの放馬。13着に敗れたクラレントですが、予定通り、朝日杯フューチュリティSに駒を進めます。次回は、その東スポ杯を振り返りながら、朝日杯への抱負をお聞きします。
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太論 / 小牧太
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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