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ファルブラヴ産駒阪神JF3頭出しに考える

  • 2011年12月16日(金) 18時00分
阪神JFは、今年のPOG戦線で最大の注目馬だったとも言えるジョワドヴィーヴルの優勝に終わった。

 同馬はいわゆる「ベタ中のベタ」という血統で、指名を検討しなかった人はいないだろうが、気恥ずかしさで回避してしまった人も相当に多いだろう。SS系ばかり(長兄ビワワールドのみブライアンズタイム)とはいえ配合相手が変わってもヒット作を出すビワハイジの底力には感服するしかない。

 一方で、POGの穴党として注目したいのは、ファルブラヴの3頭出し、そして2着確保だ。

 ファルブラヴについては既に各所で何回か書いてしまっているのだが、来年の2歳=現1歳は産駒頭数も少ないので、コンパクトにバットを振ってヒットを飛ばせるのではという魅力もある。

 阪神JF終了時点までで、ファルブラヴ産駒の本賞金トップはワンカラットだが、2位エーシンヴァーゴウ、3位ブルーミンバー、4位ビーチアイドル……とその後も延々と牝馬が続く。「牝馬でない馬」が登場するのは13位のグローリーシーズでセン馬。14位トランスワープもセン馬で、15位フォーエバーマークになるとまた牝馬。牡馬は16位に入ったブレイクチャンスが最上位で、これが秋に500万条件勝ち(降級後=2回目)で本賞金4539万円だから、ほとんど「牝馬しか走らない」と言ってもいいだろう。

 ちなみに、ここでの1頭あたり賞金は牡馬685万円・牝馬1599万円。1走あたり賞金は牡馬98万円・牝馬202万円となっている。

 だいたいこのあたりまでは過去に各所で書いた内容と同じなのだが、今回改めてデータを振り返り各馬の成績を再確認してみると、やはり気性がポイントになってこの牡牝差が出ている、つまりこの傾向は偶然ではなく今後も続くものである、という結論に至る。セン馬2頭が走っていることがその傍証になるだろう。

 問題は牝馬の中からの絞り込み。SSとの配合が無難ではあるが、他系統との間にもヒット作はあるし、ダートっぽい血統の母馬でもある程度は期待できる。血統面からは絞り込みにくい。

 手段があるとしたら生産者か。これまでファルブラヴ牝馬があげた77勝のうち65勝は社台グループ生産馬によるものだし、そもそも繁殖牝馬のクオリティが高い。先述したような気性面でのリスクがあるとしたら、繁殖から後記育成まで連続性のある環境下で育てられた馬の方が有利とも考えられる。

 ちなみに1歳のファルブラヴ牝馬では、ノーザンファーム・白老ファーム・追分ファームの生産馬はおらず、社台ファーム産馬が5頭いるだけ。来年の赤本制作時にはこの5頭をちょっと意識してみようと思う。

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