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POG外国人騎手の利用(須田鷹雄)

  • 2011年12月30日(金) 18時00分
 POGでは厩舎は選べるが、騎手は選べない。ただ、「厩舎がよく使う騎手」という形で、ある程度先を読むことができる。それについては過去に赤本の原稿に書いたこともあった。

 今回改めて考えてみたいのは、「外国人騎手の利用」である。外国人騎手というのは基本的に他国のトップクラスであり、ダートはともかく芝では結果を出す。その外国人騎手を確保しやすい環境にある厩舎、実際に乗せて結果を出している厩舎というのはそれだけアドバンテージがあるはずだ。

 そこで、2007年以降のPOG期間に、外国人騎手を乗せたケースの調教師別成績を調べるとこうなる(勇退調教師除く)。

調教師-着度数-勝率-1走当賞金
池江泰寿 13-15-9-35/72 18.1%-334万円
藤沢和雄 10-1-5-20/36 27.8%-313万円
角居勝彦 8-6-4-27/45 17.8%-206万円
堀宣行 7-3-1-23/34 20.6%-324万円
荒川義之 7-1-2-12/22 31.8%-215万円
藤原英昭 6-5-3-12/26 23.1%-506万円
松田国英 6-4-1-14/25 24.0%-312万円
西園正都 6-0-3-13/22 27.3%-397万円
友道康夫 5-7-4-19/35 14.3%-173万円
大久保龍 5-7-1-8/21 23.8%-257万円

 あまり意外性のないメンバーだが、荒川師の名前だけはちょっと意外だ。7勝はすべて新馬・未勝利におけるものだが、そのうち5勝はルメールとデムーロであり、将来良い手駒が現れたときに、この2人を確保できるタイミングがあるとオープンでも機能する可能性がある。

 起用の絶対数では、池江寿師の多さが目立つ。実は表中にないが、勇退した池江郎師が本来このランクでは4位であり、[8-4-6-12]。親子で外国人騎手を活用してきた様子が分かる。もともとPOGの人気厩舎ではあるが、結果も期待できるだろう。

 反対に、POGである程度のブランドを確立しているが外国人騎手の起用が少ない厩舎(当該期間10回未満)というと、関東は国枝、久保田、戸田、関西は橋田、藤岡健、松田博といったあたり。「日本人騎手で勝ちたいんだ!」という人は、こちらにこだわってみるといいだろう。

【お知らせ】
『POGの達人コーナー』の次回更新は1/13(金)になります。ご了承の程よろしくお願い致します。

▼筆者:須田鷹雄
 1970年東京都生まれ、東京大学経済学部卒業。POGの達人としても知られ、監修を務める“赤本”こと「POGの達人」(光文社刊)は、POGユーザー必携の書と言われている。netkeiba.comでは「回収率向上大作戦」も担当している。

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