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大きく変わるPOG本の環境(須田鷹雄)

  • 2012年02月10日(金) 18時00分
 今年から2歳戦の開始が2週間早まる。

 ということは皆さんのドラフト時期も早まる可能性が高いわけで、それに合わせて赤本の発売も繰り上げなくてはいけない。

 ただ、丸々2週間繰り上げようと思ってもそこはゴールデンウィークの真っ最中なので物理的に無理。これについてはいま物理的な限界を精査しているところである。

 もうひとつ考えなくてはならないのが、新馬が2週間繰り上がったところで、馬の仕上がりが2週間早まるわけではないということだ。進行スケジュールを徒に前倒しすると、結果として情報が以前よりも薄いということになりかねない。そのあたりのバランスを考えなくてはならないだろう。

 いずれにしてもドラフト時期を移さない、例えば昔も今年もダービー当日に行うというような人にとっては、本の中身だけが1〜2週間ぶん前にズレることになる。それを歓迎しない人もいるだろうから、ズレたぶんのアップデートをなんらかの形で考えなくてはならない。netkeibaとの連携もその中で重要になってくると考えられる。

 例えば、馬そのものの重要性はそれほどでなくても(失礼)、イベントとして私が毎年楽しみにしているJRAプリーズアップセールなどは、おそらく今年の赤本には収録できない。そのぶんをどこかに収録する必要があるということだ。

 もうひとつ、弊誌に限らず各地で影響として出てくると予想されるのが、いままで以上に血統やセール価格などプロフィール情報の派手な馬が前面に出てきやすくなるということである。仕上がりや動きに関しては時期的に後退した地点で製作するわけだからどうしてもそうなる。

 ただ御存知のように、「プロフィール買い」は恥ずかしい結果も生みかねない。期待の大きい馬はイケてなかった時のインパクトも大きいからだ。

 この点では、セレクトセールを中心にセールに足を運んでいる回数の多い弊誌(村本浩平氏などはほぼ皆勤)にアドバンテージがあるのではと考えている。特にセレクトセールでは、高額落札馬でも現場の野次馬の間では「無いわ〜」という空気になっていることがあるもの。逆に、ソコソコの値段であっても素材として評価されているケースはある。

 もちろん、好素質だと思われていた馬が脚元やら気性やらで大成できないことはいくらでもあるのだが、逆はあまりない。最初から絞り込みができている有利さを生かしていきたいと思う。

須田鷹雄+取材班が赤本紹介馬の近況や有力馬の最新情報、取材こぼれ話などを披露します!

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