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ハマれば一発があってもいいカシマシャドウ

  • 2012年04月11日(水) 12時00分
【2歳】
●カシマシャドウ(牡 美浦・佐藤全弘 父マンハッタンカフェ、母カシマトレジャー)
 兄姉6頭はJRAで計83戦して未勝利。普通なら手が出ないところだが、父がマンハッタンカフェに替わって配合的に見どころが出てきた。「マンハッタンカフェ×ブライアンズタイム」はトレンドハンターと同じ。同馬の2代母の父はStorm Cat(その父Storm Bird)で、本馬の2代母の父はマルゼンスキー(その父Nijinsky)。Storm BirdとNijinskyは相似な血なので、全体的によく似た血統構成となっている。父がNijinskyと好相性である点も心強い。配合がハマれば一発があっても。

●ヒラボクロマンス(牝 美浦・土田稔 父アグネスデジタル、母ロマンスプレゼント)
 半兄アルトップラン(父マヤノトップガン)はダート中距離で出世し、東海S(GII)で3着と好走した。Mr.Prospector系のアグネスデジタル産駒で、母の父も同系のティンバーカントリーなので、Mr.Prospector 3×4というクロスが生じる。Mr.Prospectorのクロスを持つアグネスデジタル産駒は、ケイアイテンジンやユビキタスなどダート向きのスピードタイプが目に付く。母はアルトップランのほかにも準OPまで出世したヴィフォルテ(父デヒア)なども送り出しておりポテンシャルが高い。血統は地味ながらダート戦で確実に走ってきそうだ。

【3歳】
●アンアピーズド(牝 美浦・藤沢和雄 父Galileo、母Angelic Song)
 母Angelic Songは、Glorious Song(米古牝馬チャンピオン)、Devil's Bag(米2歳牡馬チャンピオン)、Saint Ballado(Gレース2勝)の全きょうだいにあたる超良血。産駒成績も優れており、Sligo Bay(02年ハリウッドターフC-米G1)、レディバラード(ダート重賞2勝)、ミレニアムウイング(OP)を産んでいる。レディバラードはダノンバラード(10年ラジオNIKKEI杯2歳S-GIII)の母でもある。Galileo産駒は日本で目立った活躍はないものの、4分の3同血のSilgo Bay、ミレニアムウイングが走っており、しかも牝馬なので日本の軽い芝に対応できる下地はある。馬のデキが良ければ上級クラスも狙えるだろう。

●トーセンロレンス(牡 栗東・大久保龍志 父ダイワメジャー、母ウインドインハーヘア)
 ディープインパクトの半弟。父はサンデーサイレンスからダイワメジャーに替わった。母ウインドインハーヘアはアラルポカル(独G1)を勝ち、英オークス(G1)で2着となった活躍馬で、繁殖牝馬としてはディープインパクトのほかに、ブラックタイド(04年スプリングS-GII)、オンファイア(05年東スポ杯2歳S-GIII・3着)、レディブロンド(03年スプリンターズS-GI・4着)などを出している。その牝系は英王室が育んだ飛びきりの名門で、やや線の細さを伝えるところがあるので、父ダイワメジャーの頑丈さが伝わっていればおもしろい。POG期間はあとわずかだがデビューが間に合ってほしいところ。

●ファビラスタイム(牝 栗東・長浜博之 父シンボリクリスエス、母ファビラスラフイン)
 母ファビラスラフインは3歳秋に秋華賞(G1)を勝ち、続くジャパンC(GI)でもシングスピールのハナ差2着となった名牝。繁殖牝馬としては長らく大物を出すことができずもどかしい成績が続いていたが、9番子のギュスターヴクライ(父ハーツクライ)が先日の阪神大賞典(GII)を勝ってついに重賞ウィナーとなった。母方にFabulous Dancerが入るシンボリクリスエス産駒にはOPクラスまで出世したミッキーミラクルがいる。堅実に走りそうな配合なので出走してくれば楽しみ。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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