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産地馬体検査・浦河&静内より

  • 2012年04月20日(金) 18時00分
 産地馬体検査が終了した。

 正確に言うと、POG媒体が取材するのは浦河〜早来の4日間なのだが、今年は一度も雨に降られないという幸運に恵まれ、無事に取材を終えることができた。

 かつては合戦のように無秩序に行われていた撮影・取材もいまではシステムが整備され、検査終了後の馬にお願いして(もちろん正確には馬ではなく曳いている人にお願いするわけだが)撮影用に止まっていただき、撮影するわけである。馬体の特徴をメモする場合などは、その間にする。

 さらにここ数年は「耳立て当番」という役割があり、馬が立って(できれば左手前で)ある程度の態勢になったら音が出る機械を使って注意を前に向けさせ、耳が前に向くようにする。今年は4日ともこの役割を須田鷹雄・古谷剛彦(今年の赤本で浦河・静内の原稿を担当)の2人だけでやらざるをえなかったのでメモを取るのも一苦労だったのだが、この役割をすると、「横見は立派だが実は薄い」という馬に騙されなくなるという面もある。

 そんな話はともあれ、今年の私は独自の試みとして、浦河・静内の両会場については血統の先入観を捨てるため敢えていちいちリストを確認せず、ヒップナンバーと独自の評価・コメントだけをメモするようにしていた。そして、後から血統と照合したり、村本・古谷両氏が育成場から聞いたコメントと突き合わせたりしたのである。

 結果は両極端というか、浦河会場の馬たちについては自分で番号のメモを相当に間違ったのではないかというほど、原稿候補としてピックアップしていた馬と各馬の血統が合わず、静内会場ではかなりマニアックな血統の馬が村本・古谷の聞き込み原稿と合致していた。初日は自分の馬を見る目のなさに凹み、2日目は勘違いする勢いだったとも言える。

 過去の原稿を振り返ると、血統的な手がかりがないのに私が馬の見た目でピックアップした浦河・静内組というのは走っても1勝級である。育成場のコメントのほうが計算が立つし、「血統があって、なおかつ見た目もいい」という馬を選ぶのが無難だ。

 そう考えると、浦河会場組で安心して推せるのは、ベタだがアグネスタキオン×エリモピクシーの牡馬(橋口)ということになる。上が揃って走っているし、今年の橋口厩舎は例年以上に2歳馬の使い出しが積極的になりそうなので、POG的には良い。

 活躍馬の下ということではレオアクティブの下にあたるタニノギムレット×レオソレイユの牡馬(杉浦)もこの日受検。父が代わって馬の見た目は全く違うが、こちらはこちらで動きが良い、とのことである。

 静内会場でPOG期間活躍馬の下というと、ファインチョイスの下にあたるアドマイヤムーン×アタレタータの牡馬(領家)。全弟だし、この馬も早くからいけそうなタイプなので速攻馬好きの方にはぜひ。

 速攻といえば、今年の日高勢は2週前倒しされた日程に対応しているところもあり、特に目立った対策をしていない社台グループとは若干の温度差がある。そのぶん早い時期には例年以降に日高組が優勢になるかもしれない。

 私が気に入ってメモを取り、かつ村本氏の聞き込みと合致したところではアグネスタキオン×リアルエクスペクテイションズの牡馬(牧)あたりが函館目標ということで気になる存在だ。

 私のメモと村本氏取材で「まさかこの馬でかぶるとは!」となったのがスズカマンボ×メイショウノウヒメの牡馬(西橋)。これは速攻タイプということではなく、あくまで馬の評価でかぶったという話。結果が楽しみだ。ちなみに、私と古谷氏の間でも「まさかこれかぶるとは!」が発生しており、その馬とはサブミーカー×ダンスオブサロメの牡馬(岡田)。2頭ともどう考えてもドラ10で取れるので、穴中の穴として挙げておきたい。

 赤本そのものでは、ここに挙げた馬だけでなく、早い馬・穴馬を提供できるよう鋭意編集中である。そちらもお楽しみに。

須田鷹雄+取材班が赤本紹介馬の近況や有力馬の最新情報、取材こぼれ話などを披露します!

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