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中山ダート1800mの持つ意味

  • 2003年02月17日(月) 17時58分
 今年のフェブラリーSは中山ダート1800mで行われるが、これは単に距離が200m伸びるというだけでなく、もっと大きな意味を持つ。

 というのも、(旧)東京ダート1600mは日本でも屈指の逃げ・先行不利コースであり、中山ダート1800mは典型的な逃げ・先行有利コースだからだ。

 まず東京ダート1600mだが、93年以降の約10年・2歳3歳限定戦を除く(結果として500万下〜オープンが対象となる)脚質別成績は次の通り。

    勝率  連対率 単回収率 複回収率
・逃げ 9.3%   19.6%  92  97
・先行 12.2%  24.0%  94  99
・差し 7.1%   14.0%  68  73
・追込 2.4%   5.0%   27  41

 逃げ・先行馬の回収率が揃ってマイナスになるのは極めて稀なことで、東京ダート1600mがいかに先行タイプにとって不利なコースであったかが分かる。また、差し馬の複勝回収率73%というのも他コースに比べると高く、これまでのフェブラリーSで比較的差しが決まってきたのも納得がいく。

 一方、中山ダート1800mについて同様のデータを出すとこうなる。

    勝率  連対率 単回収率 複回収率
・逃げ 20.2%  30.8%  210  141
・先行 14.9%  29.8%  148  132
・差し 3.7%   8.9%    44   58
・追込 0.8%   1.9%    11   17

 東京ダート1600mとの比較について、説明するまでもないだろう。中山ダート1800mに替わる以上、「前から買う」意識は絶対に必要なのである。

 JCダートがイン捲りと追込の2頭で決まったため「G1だと例外」と考える人もいるだろう。また、今回はいわゆる「行くタイプ」の馬が多く、また前傾ラップになると考えることもできる。

 しかし、それでも「ハナにこだわる馬は別として、前から買う」程度の意識は持っておいた方がいい。ヒモをどうするかは別として、安心して買える軸となると、アドマイヤドンだろう。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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