今年のフェブラリーSは中山ダート1800mで行われるが、これは単に距離が200m伸びるというだけでなく、もっと大きな意味を持つ。
というのも、(旧)東京ダート1600mは日本でも屈指の逃げ・先行不利コースであり、中山ダート1800mは典型的な逃げ・先行有利コースだからだ。
まず東京ダート1600mだが、93年以降の約10年・2歳3歳限定戦を除く(結果として500万下〜オープンが対象となる)脚質別成績は次の通り。
勝率 連対率 単回収率 複回収率
・逃げ 9.3% 19.6% 92 97
・先行 12.2% 24.0% 94 99
・差し 7.1% 14.0% 68 73
・追込 2.4% 5.0% 27 41
逃げ・先行馬の回収率が揃ってマイナスになるのは極めて稀なことで、東京ダート1600mがいかに先行タイプにとって不利なコースであったかが分かる。また、差し馬の複勝回収率73%というのも他コースに比べると高く、これまでのフェブラリーSで比較的差しが決まってきたのも納得がいく。
一方、中山ダート1800mについて同様のデータを出すとこうなる。
勝率 連対率 単回収率 複回収率
・逃げ 20.2% 30.8% 210 141
・先行 14.9% 29.8% 148 132
・差し 3.7% 8.9% 44 58
・追込 0.8% 1.9% 11 17
東京ダート1600mとの比較について、説明するまでもないだろう。中山ダート1800mに替わる以上、「前から買う」意識は絶対に必要なのである。
JCダートがイン捲りと追込の2頭で決まったため「G1だと例外」と考える人もいるだろう。また、今回はいわゆる「行くタイプ」の馬が多く、また前傾ラップになると考えることもできる。
しかし、それでも「ハナにこだわる馬は別として、前から買う」程度の意識は持っておいた方がいい。ヒモをどうするかは別として、安心して買える軸となると、アドマイヤドンだろう。