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JRAブリーズアップセール速報

  • 2012年05月04日(金) 18時00分
 今年は締切の関係で赤本にJRAブリーズアップセール速報を入れられなかったので、代わりにここで触れてみたい。

 現3歳世代の同セール出身馬はモンストールが重賞を勝ったものの、中央に登録された74頭中勝ち上がりが15頭のみ、出走して賞金ゼロの馬が32頭(4月末現在)とかなり厳しい状況なのだが、購買者はあまり指標を気にしていないのか、相変わらず強気の購買が目立った。

 セリの序盤は早々に主取馬が2頭出るなど(いずれも後で再上場→売却)冷静さが生まれてきたかと思ったのだが、それをぶち破ったのが上場番号5番の母レディインディ(牝/父ダイワメジャー・4200万円)。母系の付加価値が高く、ダイワメジャーも初年度産駒が走っているという安心感もあるのだろう。プレビューでの動きは掻き込みの力強さとクビを使うフォームが好印象。良い素材であることは間違いないが、あとは価格に見合うかどうかだ。

 同馬が価格1位で、2位も牝馬。母ヒットザボード(牝/父ネオユニヴァース・3727.5万円)、既に報じられている通り、プレビューで岩田康誠騎手が騎乗し絶賛したという馬。その効果は絶大で、来年からJRAは有名騎手に100万円ずつくらい払って乗りに来てもらってもペイすると思う。「ネオの牝馬だぞ〜」という声もあちこちから聞こえたが、その常識と、ジョッキーの感覚のどちらに軍配が上がるのかも興味深い。

 牡馬の最高額は母キタサンバースデー(牡/父ステイゴールド・3150万円)。馬自体はこじんまりしたところがなく、どちらかというと母系が出ている印象。プレビューでは一見反応が鈍いように見えたのだが、それでいて時計は12.1-11.9と全体の中でも早め。ベースの能力が高いのだとしたら、ピリっとしたところが出てきた場合成功しそうな予感はある。

 以上、高馬3頭をご紹介したが、他の馬からもいくつかピックアップしてみよう。

 当日の動きで評価が急上昇したのが母レジェルマン(牡/父バブルガムフェロー・1995万円)。重心が低くやる気に満ちた走りで時計は11.8-11.7。もっと高くなるかと思ったのだが、購買者はある程度結果の見えた種牡馬より新しいものを求めているということだろうか。仮にこの馬がダイワメジャー産駒だったら軽く3000万円は超えたと思う。

 今年多いアルデバラン産駒からは母フラワーサークル(牝/父アルデバラン・1312.5万円)を挙げておきたい。ゴール前の走りに素軽さがあり、2Fめ11.4と優秀。仕上がり早いの母系、ダート短距離に向きそうな父というのはいずれもこのセリで良いパターンだ。

 1000万円を切った馬たちからは、母スギノセンヒメ(牝/父アグネスデジタル・577.5万円)。ケイアイテンジンの全妹でありながらこの価格というのはダート向きでありながら410キロしかないという馬格が嫌われてのものだろう。ただ薄いとか頼りないという馬体ではなく、全体にぎゅっと圧縮したような体型。セリ前には420キロくらいまではいっていたようだし、最終的に430キロくらいまで成長してくれればチャンスはあると思う。

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