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コース替わりの意識

  • 2003年02月24日(月) 19時17分
 私は関東人でしかも今週のメインは東がG2・西がG3なわけだが、居住地とグレードに逆らってここでは阪急杯について書かせていただこうと思う。

 御存知のように、関西は今週から開催替わりである。馬も前開催に使っていた馬を中心にコース替わりとなるケースが多い。また、見逃してはならないのが人間の側のコース替わりだ。

 阪急杯と同じ芝1200mのレースは京都にもある。しかし、京都芝1200mと阪神芝1200mでは特性が違うし、しかも開幕週でフレッシュな馬場に替わるとなってはなおさらである。しかし、フツーに馬券を買っている人のほとんどは「1200mは1200m」程度の認識で予想をしているものであり、そこから間違った評価→オッズの歪みが生じやすい。

 そこで今回は、主な登録馬の父(当該コースにおける産駒数の少ないものは除く)について、京都、阪神それぞれの芝1200mにおける連対率と複勝回収率を調べてみた。季節性などは無視したシンプルな調査だが、「この開催になって強調したい馬」はどれなのかというイメージ作りに役立てば幸いである。

(数字は左が連対率・右が複勝回収率)

             阪神     京都
ウォーニング      18.8−63   43.8−115
サクラバクシンオー  20.0−86   18.8−114
サンデーサイレンス  26.1−76   26.4−99
トニービン       25.0−129   14.9−62
フォーティナイナー  33.3−74   10.5−33

 この他、規定打数不足組ではミスワキが阪神よりも京都に成績を残している。

 今回の出走全馬が京都→阪神のコース替わりになるわけではないが、阪神が強調材料になるのはトニービンくらいで、「プラスではある」というのもフォーティナイナーしかいないというのは正直意外だった。

 この原稿を書くまでは予定していなかったのだが、トニービン産駒のエアトゥーレにもシルシを回してみようと、自分自身でも考えたりした次第である。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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